分析におけるスペクトル解析の基本から 応用テクニック・ノウハウ
分析におけるスペクトル解析の基本から応用テクニック・ノウハウ
~ 分光分析における前処理・同定・解析の基礎知識とテクニック ~
セミナーの特徴
包括的な分析技術
FTIR、XPS、AES、TOF-SIMSなど、各種分光分析におけるスペクトル解析の基本から応用まで網羅的に学習できます。
実践的なテクニック
現場での解析実務に直結するテクニックやノウハウを、実際の事例を交えて詳しく解説します。
データ処理のコツ
前処理から同定、定量解析まで、正確なスペクトル解析を行うための具体的な手法を学べます。
セミナーの趣旨
FTIRやXPSなどの分光分析は、材料やプロセスの解析・評価、トラブル解決において必要不可欠なものとなっています。近年は装置の進歩で誰でも簡便にスペクトルを取得できるようになった一方で、スペクトルは得られれば目的が達成できるわけではなく、解析して初めて必要な情報を得て問題解決などの目的達成をすることができます。
装置の進歩だけでなく、コンピューターやソフトの進歩もあり、現在では解析も多くの部分で自動化が進んでいます。これは言い換えれば、ブラックボックス化されているということであり、解析を理解せずに利便性だけで頼ってしまうと間違った結果が導かれてしまっても判別できないということが起きています。
本講座では、スペクトル解析の基本的な考え方から、現場実務でのスペクトル解析のテクニック、ノウハウとして、前処理、同定や定量から数学的アプローチなどの解析、実際の様々な事例や手法による分析例などを詳細に解説します。
講演内容
1. スペクトル解析の基本
スペクトルの基本としての縦軸横軸の意味や見方といった基本から、正否判断となる信頼度評価、スペクトルの中に含まれる情報などのスペクトル解析の基盤知識について解説します。
- 分析の基本フロー
- 正確なデータを得るために
- AccuracyとPrecision
- 信頼度要因
- 横軸、縦軸の意味
- 基本ピーク形状
- ピーク変化(位置、半値幅)の意味
- スペクトル解析の分類
- スペクトルから構造・状態へ
- ピーク? ノイズ? など
2. スペクトルの前処理
スペクトル解析において欠かすことのできない様々なスペクトル前処理について、その内容や特徴、使い方、注意点などについて解説します。
- スペクトル前処理の分類
- ベースライン補正
- スムージング
- 補間
- 自動処理の注意点 など
3. 解析的前処理(FTIRを例に)
スペクトル前処理の実例として、最も利用されている分析手法であるFTIRを例として実際の前処理プロセスを解説します。
- 大気成分(CO2、H2O)補正
- スペクトル補正
- スペクトル変換 など
4. スペクトルの解析(同定・定性)
スペクトル解析の基本かつ代表である同定・定性について、その考え方、手順を解析プロセスに沿って解説すると共に、広く一般に利用されているスペクトルサーチについてアルゴリズムの特徴から使い方、落とし穴などの活用テクニックを解説します。
- 同定と定性
- ピーク帰属
- ピーク帰属の裏ポイント
- スペクトルデータベース
- スペクトルサーチ
- 代表的検索アルゴリズム
- 検索アルゴリズムの限界
- ヒットスコアの罠
- 検索結果の間違い例
- スペクトルサーチのコツ
- 混合解析
- オープンライブラリ など
5. スペクトルの解析(定量)
同定、定性と共にスペクトル解析では欠かすことのできない定量解析について、その手順、方法から注意点、誤差要因のコントロールなどについて解説します。
- ピーク高さと面積
- ベースラインの引き方
- より正確な定量値を得るために
- スペクトルのピーク分離
- ピーク分離における条件設定
- 検量線法による定量
- 定量値に対する影響要因
- 誤差要因 など
6. 数学的アプローチによる物理意味の導出
スペクトル解析においては基本となる同定・定性・定量以外の、より詳細で複雑な解析において必要となる数理解析手法について解説します。
- 相関解析
- 相関解析の注意点
- 本来のスペクトル解析 など
7. 各種測定法の例
スペクトル解析の対象となる代表的な分光分析手法について、実例やそれぞれの分析手法特有の解析なども含めて解説します。
7.1 フーリエ変換赤外分光法(FTIR)
- 赤外分光法(IR)の原理
- 吸光度スペクトルと透過スペクトル
- 主な吸収帯
- 系統解析
- 帰属の考え方
- 検量線法
- ピーク強度比法
- 誤差要因
- 差スペクトル
- 標準スペクトルとの比較
- 高度な構造解析 など
7.2 ラマン分光法
- ラマン散乱
- レーザー波長と散乱強度
- ラマンスペクトル
- ラマンスペクトルの解析
7.3 X線光電子分光法(XPS、ESCA)
- XPSの原理
- ワイドスキャンとナロースキャン
- 元素同定
- 化学状態の同定
- 化学構造変化解析
- 定量評価
- XPSにおけるベースライン
- オージェピークの利用
- サテライトピークの利用
- 価電子帯の利用
- 角度変化測定解析
7.4 オージェ電子分光法(AES)
- AESの原理
- AESスペクトル例
- 界面拡散の分析
- チャージアップの影響
7.5 飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)
- TOF-SIMSの原理
- マススペクトルの解析
- TOF-SIMSによる化学構造解析 など
8. 実例
実際の測定、解析例を示しながら、実務での解析プロセスについて解説します。
9. まとめと質疑
セミナー内容の総括と、参加者からの質疑応答を行います。
対象者
研究開発部門
研究機関の担当者、リーダー等
技術部門
その他、技術部門全般
分析担当者
スペクトル解析の実務に携わる方
講師紹介
本セミナーは、分光分析におけるスペクトル解析の専門家が講師を務めます。
専門分野
• FTIR(フーリエ変換赤外分光法)
• XPS(X線光電子分光法)
• AES(オージェ電子分光法)
• TOF-SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)
• ラマン分光法
• スペクトル解析技術全般
講師の特徴
長年の実務経験に基づく実践的な解説が特徴で、理論だけでなく現場で直面する様々な課題に対する具体的な解決策を提供します。特に、スペクトル解析における前処理から同定・定量まで、実際の様々な事例を交えた詳細な解説に定評があります。
セミナーの特別特典
セミナー受講者には特別特典として、初回限定で限定特別料金にて技術コンサルティングをご利用いただけます。技術的な相談はもちろん、戦略相談、オンサイトセミナーなど、実施内容や方法に制限はありません。
お問い合わせ
株式会社イーコンプレス 担当:丁田
〒630-0244 奈良県生駒市東松ヶ丘1-2 奥田第一ビル102