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[書籍] 超撥水・超撥油・滑液性表面の技術(第2巻)
超撥水・超撥油・滑液性表面の技術(第2巻)
水に加え油・有機液体のような低表面張力液体に対し超撥液性を発現する
さまざまな表面処理技術の研究・開発事例を豊富に解説
超撥油
滑液性
表面処理
コーティング
材料科学
書籍企画担当者から
本書は2016年に発刊し、多くの方にお読み頂いた同名の書籍の第2弾です。ぬれ性の高度な制御、実用的な超撥液表面処理技術は工業的にも学術的にも研究者を引き付けるテーマであり、近年の新たな研究開発例・情報を提供すべく、第2巻が編集されました。
超撥水(油)化は、表面の微細凹凸構造とその疎水化処理によって実現されますが、微細凹凸構造の形成が高コスト・生産性に乏しい、凹凸構造が壊れやすく耐久性がない、長鎖有機フッ素化合物の使用が規制の観点から懸念されるなどの種々の課題により実用化されるケースは限定的でした。
本書ではこうした課題の解決に向けた先進的な技術を掲載しています。摩耗に耐えられる凹凸構造、傷がついても内部から超撥水構造が露出するコーティングや、従来の樹脂・金属成形や塗装プロセスが適用できる手法、微細凹凸の精密な構造制御によって、疎水化処理が不要な方法など、特異な機能を有する表面のメカニズムも含めて解説されます。
また、近年の多くの研究では転落角が意識された内容となっており、液滴の除去性に着目した滑液性表面技術開発が大きく進展しています。本書でも、液体のような平滑膜、アルミニウム表面の滑落性制御、新規フッ素樹脂膜、滑水シート、潤滑の概念を導入したSPLASH表面など、海外の研究動向も含めて新たな話題提供がなされています。
超撥水・超撥油、滑液性表面処理技術・材料を開発されている方、自社素材表面への機能付与方法を検討されている方にお役立て頂けますと幸いです。
本書の特徴
超撥水・超撥油性構造の耐久性向上
摩耗に耐えられる凹凸構造、傷がついても内部から超撥水構造が露出するコーティング技術を解説。ハリセンボンに倣ったタフでしなやかな超撥水材料や植物由来ゲル化剤を用いた新しい超撥水コーティングなど、耐久性を備えた革新的アプローチを紹介します。
従来プロセスとの互換性
従来の樹脂・金属成形や塗装・コーティングプロセスで超撥水性付与を可能とする手法を詳述。加硫ゴム・シリコーンゴム表面への微細凹凸構造の付与、シリコーンゴム表面への真空紫外レーザーによる微細隆起構造形成など、実用的な技術を解説します。
疎水化処理不要の超撥水・超撥油性表面
微細凹凸構造のみで超撥水・超撥油性を実現する表面構造の設計と制御方法を解説。フッ素化合物を使用せずに実現する環境負荷の低い超撥液性表面の開発事例を掲載しています。
高度な滑液性表面技術
液滴の除去性に着目した滑液性表面技術について詳述。液体のような平滑膜、アルミニウム表面の滑落性制御、新規フッ素樹脂膜、滑水シートなど、最新の開発事例を紹介。また、潤滑の概念を導入したSPLASH表面など、新しいアプローチによる滑液性付与技術も解説します。
フォーマット | 【製本版+ebook版】または【ebook版単体】 ※ebook版はPDF形式 |
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価格(税込) |
【製本版+ebook版】36,300円 【ebook版単体】31,900円 |
ページ数 | A5判 約350ページ |
著者 | 穂積 篤、後藤 景子、内藤 昌信、柳澤 憲史、中野 万敬、和泉 麻由佳 他 |
発行 | サイエンス&テクノロジー |
こんな方におすすめ
超撥水・超撥油・滑液性表面技術の研究開発者
最新の表面処理技術や材料開発に関する知見を得たい研究者や技術者の方。超撥水・超撥油・滑液性のメカニズムやその実現方法について体系的に学べます。また、国内外の最新研究動向を知ることで、自身の研究開発に新たな視点を取り入れることができます。
製品表面の機能向上を検討されている方
自社製品や素材に超撥水・超撥油・滑液性などの機能を付与したいとお考えの方。実用的な技術や適用方法について具体的事例を基に学ぶことができます。耐久性やコスト面での課題解決につながる情報を得ることができます。
材料メーカーの研究開発部門
高機能性コーティング材料や表面処理技術の開発に従事されている方。市場ニーズに合った新製品開発のヒントや、競合技術の動向を把握することができます。環境規制に対応した新たな材料開発の方向性についても知見を得られます。
製造プロセス技術者
工業製品の製造プロセスに関わる技術者の方。従来の製造プロセスを活かしながら高機能な表面特性を付与する手法について学ぶことができます。コスト効率の良い実装方法や量産化に向けた課題解決のヒントを得ることができます。
目次
第1章 固体表面のぬれの理論と超撥液性表面の研究動向
1. これまでのぬれ性の評価指標
2. 固体表面におけるぬれを説明する理論
3. 動的ぬれ性の重要性
4. 超撥液性を示す表面と最近の研究開発動向
第2章 超撥水性表面を形成する材料と表面処理技術
第1節 ハリセンボンに倣ったタフでしなやかな超撥水材料の開発
第2節 植物由来のゲル化剤・脂肪酸を用いた超撥水コーティング技術の開発
第3節 ポリアミノ酸を用いた生分解性を有する超撥水性材料の開発
第4節 側鎖結晶性ブロック共重合体を用いた化学的修飾によるポリエチレンフィルム・不織布への強撥水性付与
第5節 スパッタ法による超撥水性薄膜合成と最新の研究動向
第6節 射出成形による超撥水性付与および樹脂製品への適用
第7節 サンドブラストによる金型表面への微細構造形成とそれを用いたプレス転写による超撥水性表面形成
第8節 熱加硫プレスによるゴム表面への微細構造転写と超撥水性付与
第9節 真空紫外レーザーによるシリコーンゴム表面への微細隆起構造形成と超撥水性付与
第10節 超微細加工技術を用いた無欠陥ナノ構造の作製と高耐久撥水表面形成
第11節 大気圧プラズマジェット処理による繊維表面への超撥水性・超親水性の付与
第3章 撥油性・滑液性表面を形成する材料と表面処理技術
第1節 滑液性表面のメカニズムと近年の研究例
第2節 カーボン材料と微細凹凸加工による滑水性固体表面の開発とその評価方法
第3節 水滴の除去性能に優れた親水滑水処理剤の開発
第4節 超滑落性を有する新規フッ素樹脂の発現機構―第4世代撥液表面を目指して―
第5節 滑落性に優れるフッ素フリー撥水撥油材料の開発
第6節 陽極酸化による滑落性制御型超撥水・超撥油アルミニウム表面の創製
第7節 高機能性滑液表面(SPLASH)の開発とその応用