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[書籍] 意匠性を高める顔料技術
意匠性を高める顔料技術
消費者を魅了する色、感性価値を生む製品開発へ
人を魅了する色づくり、色とコンセプトで魅了する製品開発に向けて
私たちは、日々さまざまな色に囲まれて生活しています。例えば「青色」ひとつであっても、鮮やかな青、深みのある青、淡く明るい青― 多くの人は、さまざまな色合いがあることに気が付くと思います。そして、それは晴れた日の空のような自然界だけでなく、車、塗料、文具などの工業製品においても同様です。
科学技術の発展によって、色材における人体への影響(安全性)、表現できる色の幅、経時や使用環境による変色・劣化などの問題が解決できることが増え、結果、多くの色が身近にあるようになりました。溢れんばかりの色をもつ製品に囲まれ、私たちはこれから何を考え、それらと触れ合っていくのでしょうか。
本書では顔料関連技術がもたらす感性価値を「意匠性」ととらえ、外観的な美や使用者への快をもたらす製品開発を助長するための関連技術情報を掲載することに努めました。また、感性価値を生むためには消費者特性を考慮することも肝要であると考え、ヒトの色知覚と個人差、色彩と心理の関係についての研究もまとめています。
発刊日:2021年5月28日
体裁:B5判並製本 約350頁
価格:66,000円(税込)
本書のポイント
- 顔料の発色メカニズムとは? 顔料の粒子物性と色との関係をひもとく
- 実務でしばしば直面する、顔料分散に関する問題を一挙解決!一問一答形式で学ぶ、表面処理/ビーズミル/分散剤/塗布・塗工 における解決の糸口とトラブル事例解説
- 新たな色を生みだす顔料の研究開発、近年ますます多用されるメタリック・パール系、蛍光顔料
- 最終イメージに直結する、メタリックの色調変動機構、自動車ボディでの見え方予測
- 色だけでなく、色とともに紡がれるコンセプト。製品・採用事例紹介
- ヒトはどのように色を感じ、また色から何を感じるのか?個人差、年齢、予測式など
- 実際の製品開発に直接参考としたくなる、プロダクトの色展開における考え方、セオリー
目次
1章 顔料の発色
- 1節 顔料の発色理論
- 2節 微粒子による光の散乱(理論)
2章 顔料機能を引き出すための一問一答
- 1節 化粧品用粉体の表面処理技術とその特性
- 2節 ビーズミル処理における条件調整およびトラブル事例
- 3節 分散剤
- 4節 塗布・塗工プロセスにおける顔料分散液を使用・調製する場合の要点
3章 意匠性を高めるための顔料技術と製品事例
- 1節 色をもたらす顔料
- 1. ブルー顔料 インミンブルーについて
- 2. 多様な色を示す非結晶性シリカのみから調製したフォトニック顔料
- 3. 鉄細菌を活かした橙色無機顔料の創出
- 4. 長残光性蛍光体(蓄光顔料)
- 5. エフェクト顔料
- 2節 色合いにかかわる考察
- 1. 超微細顔料分散インク内における顔料の分散状態とX線散乱特性
- 2. メタリック塗膜の色調変動機構
- 3. 自動車意匠を高める塗色:ボディ形状による色の見え方の予測とグローバルカラートレンド
- 3節 色とともにつくりあげるコンセプト
- 1. 彩りが異なる印影が残せる色鮮やかな朱肉
- 2. 体温、水分量やpHにより色合いが変化するメイクアップコスメ マーケティング視点での考察
- 3. 高輝度かつ平滑な塗装面をもつ金属調塗料と鉄道車両への採用
4章 ヒトと色彩:知覚・認知・感情・行動
- 1節 色認知能力の個人差
- 2節 乳児期における色知覚の発達
- 3節 色覚多様性と色彩印象
- 4節 若者世代の色の好みと時代を超えた普遍性
- 5節 色彩感情予測式に基づく配色選定システム
- 6節 消費者は何に美しさを感じるのか-デザイン要素と審美性知覚-
- 7節 プロダクトの色・質感とカラーバリエーション
※目次は一部変更となる場合がございます。予めご了承ください。
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