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[書籍] 海外データ(試験施設)/海外導入品の信頼性基準適用と 効率的なデータ利用・CTD申請
海外データ(試験施設)/海外導入品の信頼性基準適用と
効率的なデータ利用・CTD申請
~非GLP試験(CMC)効率化に向けた対応・問題事例や海外試験施設(CRO/大学)の実際~
~海外導入品の国内申請:効率的なデータ利用とCTD作成/照会事項対応のコツ~
書籍概要
書籍タイトル: 海外データ(試験施設)/海外導入品の信頼性基準適用と効率的なデータ利用・CTD申請
カテゴリ: 医薬品開発, 薬事申請, 信頼性基準, CTD, 海外データ, 非GLP試験
ポイント詳細
【1】日本特有の信頼性基準の考え方・問題事例と海外試験施設の実際
◎日本特有の非GLP試験における信頼性確保の考え方:
⇒GLP/GMPとの比較と試験効率化に向けた対応:
✔「信頼性の基準」について、各企業において効率化する際にどのように考えていけば良いのか?
非GLP試験について、各項目をGLPやGMPと比較した観点にて読み解く。
試験の外部委託(国内CRO/大学施設/海外CRO)の際に苦慮する事項、DIへの影響など、筆者の観点より解説!
⇒CMC試験における信頼性基準適用の考え方と問題事例:
✔筆者の実経験を元に”実際に起こる可能性のある問題事例”について「信頼性の基準」3原則それぞれに分類し考察。
◎海外施設での信頼性基準試験を実施する際の留意事項
海外CROへの試験委託時の効果的な施設調査のコツ
⇒海外試験施設(CRO・大学)への委託時の留意事項や、当該施設がGLP施設か否かの判断基準とは?
海外CRO調査のチェックポイント等、筆者の経験談より解説!
【2】海外導入品(原薬/製剤等)の国内申請:効率的なデータ活用とCTD作成・申請時の留意事項
~CMC分野をメインとし、GLP分野についても言及~
◎海外導入品の非GLP試験における国内申請への効率的なデータ利用のコツ
⇒国内試験(全て国内で実施)と海外試験(一部あるいは全てを海外で実施)における課題を考察し、
国内申請時における効率的なデータ活用の考え方を紹介!
◎導入元・導入先での協同作業や必要となる情報の管理,進捗管理
⇒申請をスムーズに行うための対応について、導入元/導入先双方で管理が複雑な状況下での導入事例を元に解説!
導入する原薬/製剤の製造に関わる技術移転やバリデーション、導入元/導入先間での対応すべき留意事項※にも言及!
(※第三者機関の利用、導入先での製造作業実施時の対応や、各種試験(受入試験、出荷試験)、カルタヘナ法、GDP等)
◎申請をスムーズに行うための対応例やCTD-Q記載時・照会事項対応時のポイント
⇒申請における根拠資料における留意事項と効率的な保管管理:
✔M3の根拠資料における不足データ検証や入手・保管管理のコツを、
ExcelやWord使用の場合等、具体的なイメージを例示し紹介。
⇒照会事項対応に対する適切な対応と回答書作成の実作業留意点
✔照会を受けた場合の対応の考え方や、自社開発と導入品における対応手順の比較等ふまえ解説。
発刊日 | 2020年2月27日 |
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体裁 | B5判並製本 152頁 |
価格(税込) | 44,000円 定価:本体40,000円+税4,000円 |
<監修>
- 松永 秀光(株式会社大塚製薬工場)
- 川口 謙(株式会社東レリサーチセンター)
- 久世 治朗(大鵬薬品工業株式会社)
- 内藤 真策(株式会社JIMRO)
- 津布久 悟(武州製薬株式会社)
- 根木 茂人(ルートT技術士事務所(元エーザイ株式会社))
- 李 仁義(神戸大学)
- 田本 勇士(ヤンセンファーマ株式会社)
<本書より抜粋>
「安全性試験や安全性薬理試験についてはGLPという規制がかかるが、薬効薬理試験、薬物動態試験及び承認前のCMC分野については、GLPではなく日本特有の「申請資料の信頼性の基準」に合致するように、それぞれの試験を実施しなければならない。つまり、薬理試験、薬物動態試験及びCMC分野にとっては、これが試験実施の物差しとなり、信頼性が担保された申請資料が出来上がることになる。ただ、この物差しは「正確性」「完全性(網羅性)」及び「保存」についてだけ明記してあるだけで、具体的にどうすれば良いのかについては、各企業に委ねられている状況である。」(第1章「日本特有の非GLP試験における信頼性確保の考え方・留意事項~GLP/GMPとの比較・相違と試験効率化に向けて~」松永 秀光)
「医薬品の承認申請において新薬の価値を適正に示すデータとは何か、これは承認申請に求められる条件と考えられる。本書の趣旨に沿って承認申請に使用するデータを大別すると(中略)つまり、承認申請に使用するデータは、日本申請において全て信頼性が確保され、その1つに非GLP試験が位置づけられる。さらには新医療機器の開発においても、承認申請では同様に信頼性の基準が適用される。」(第5章「海外導入品の国内申請でのデータ利用の課題・対応【非臨床】」内藤 真策)
目次
第1部 日本特有の信頼性の基準の考え方・問題事例と海外データ活用
第1章 日本特有の非GLP試験における信頼性確保の考え方・留意事項
~GLP/GMPとの比較・相違と試験効率化に向けて~
- はじめに
- 1. 信頼性の基準の発足理由
- 2. 社内の信頼性の基準のシステム構築
- 2.1各社のシステム構築の流れ
- 2.2施設をマネジメントする者
- 2.3試験の責任者
- 2.4QC/QA
- 3. 信頼性の基準とGLP/GMPとの相違
- 3.1施設をマネジメントする者
- 3.2試験責任者
- 3.3QA
- 3.4 手順書(SOP)
- 3.5試験計画書と最終報告書
- 3.6機器
- <Column ValidationとVerification>
- 3.7試験の一部委託
- 3.8被験物質(標準物質)
- 3.9その他
- 4. 過去の適合性調査から今へ ~調査形式の移行~
- 4.1. 信頼性の基準発足当初
- <Column 委託試験の適合性書面調査>
- 4.2. その後
- 4.3. 現在
- <Column 今後の調査>
- <Column 伝えたいこと>
- 5. データインテグリティー(DI)~信頼性の基準への影響を考える~
- 5.1DIとは
- 5.2DIの影響
- 5.2.1経営層の関与
- 5.2.2生データの定義
- 5.2.3ブランクフォームの管理
- 5.2.4アクセス制限と監査証跡
- 5.3信頼性の基準とDI
- 6. 試験の委託(国内CRO・大学施設・海外CRO)
- 6.1国内CROの現状と監査
- 6.2海外CRO:委託時に苦慮する点と対応
- 6.3大学施設での実施・委託
- 7. 記録の取り方:苦慮したケースと学んだこと
- 8. データのねつ造、隠匿、隠蔽と内部告発
- 8.1不都合試験の隠匿
- 8.2バックデート
- 9. SOP
- 9.1SOPに記載されていないこと~CMC分野と薬理試験・薬物動態試験での考え方の違い~
- 10. チェックリストの効果的な利用
- 11. QCとQA
- 11.1CとQAの関係性
- <Column CAPA>
- 11.2QCとQAの実施タイミング
- 12. CMC分野とGMP
- 12.1DIの導入の可能性
- 12.2ICH Q9とQ10
- 13. 科学性と信頼性
- おわりに
第2章 CMC試験における信頼性基準適用の考え方と問題事例
- はじめに
- 1. 申請資料の信頼性の基準について
- 1.1 正確性
- 1.2 完全性・網羅性
- 1.3 保存
- 1.4 データインテグリティとの関係
- 2. 申請資料の信頼性の基準が制定された背景
- 2.1 ソリブジン事件
- 2.2 申請資料の信頼性の基準の制定
- 3. 問題事例
- 3.1 「正確性」に関する問題事例
- 例1. 試験報告書では詳細に試験方法が記載されているが、生データには記載がない
- 例2. 生データなどに試験番号の記載がない、あるいは試験番号の誤記
- 例3. 試験結果に計算間違いがある
- 例4. 分析機器の定期点検がなされていない(点検忘れ)
- 例5. 標準品、試薬、試液などの有効期限切れ
- 例6. 管理温度の逸脱
- 例7. データや試験報告書の確認(チェック)や承認の不備
- 3.2 「完全性・網羅性」に関する問題事例
- 例8. 再測定や不採用データに関する問題事例
- 例9. クロマトグラム番号に欠番がある
- 例10. 合格するまで再測定している
- 例11. クロマトグラムを再解析したが、初回の解析データがない
- 例12. 生データに関する問題事例
- 例13. 機器に付属したコンピュータ及び電子データの管理に関する問題事例
- 3.3 「保存」に関する問題事例
- 例14. 資料保存施設で記録類を管理していない
- 例15. 資料保存庫内の保存資料が探し出せない
- 例16. 資料保存施設の環境
- 例17. 記録の不備、資料保存責任者の機能不全
- 例18. 電子データの保存の不備
- おわりに
第3章 海外CROへの試験委託時の効果的な施設調査のコツ
~実経験に基づく海外施設の実際と海外データ利用時の考え方~
- はじめに
- 1. 海外のCROを利用するケース
- 1.1 プロジェクト導入のケース
- 1.2 外資系企業のケース
- 2. 海外の大学
- 2.1 大学施設のGLPと信頼性の基準
- 2.2 Non-GLP大学施設とのコミュニケーション
- 3. FDA申請について~FDA-GLP観点の重要性~
- 3.1 FDA Form 483
- 3.2 EIR
- 3.3 Warning Letter
- <Column FDA査察の特徴>
- <Column FDA査察報告書の指摘グレード>
- 4. 海外からの導入プロジェクト~海外で既に実施した非GLP試験を日本申請する場合~
- <Column 中国申請も考えた場合>
- 5. 海外CRO調査のチェックポイント
- 5.1 チェック項目~各項目の留意事項とポイント~
- 5.1.1 Introduction (Confirm answer)
- 5.1.2 Regulation
- 5.1.3 Communication
- 5.1.4 Computer System
- 5.1.5 Sub-contract
- 5.1.6 Organization and Personnel
- 5.1.7 Facility management
- 5.1.8 Study Director (SD)
- 5.1.9 Quality Assurance (QA)
- 5.1.10 Facility
- 5.1.11 Animal Care
- 5.1.12 Equipment
- 5.1.13 Standard Operation Procedure (SOP)
- 5.1.14 Reagents and Materials
- 5.1.15 Test Article
- 5.1.16 Protocol
- 5.1.17 Conduct of study
- 5.1.18 Final Report
- 5.1.19 Storage and Retrieval of Record and Data
- 5.1.20 Other
- 6. 海外データと適合性書面調査
- 6.1. 以前の調査
- 6.2. 最近の調査傾向
- 7. 海外CRO施設調査
- 7.1. 事前の質問
- 7.2. 訪問調査
- 8. 海外施設の注意点
- 8.1. M&Aによる資料紛失・廃棄
- 8.2. M&Aによる試験責任者の不在
- 9. データインテグリティー(DI)~信頼性の基準への影響と海外施設の現状~
- 10. CMC分野について
- おわりに
- <Column 語学がダメでもチャレンジ>
第2部 海外導入品におけるデータ利用とCTD作成・申請時の留意事項
第4章 海外導入品の国内申請でのデータ利用の課題・対応【非臨床】
- はじめに
- 1.国内試験と海外試験の課題
- 1.1 欧米規制からみた信頼性基準の課題
- 1.2 日本独自の規制
- 1.3 海外試験を信頼性基準に対応
- 2.国内規制的な信頼性基準
- 2.1 非臨床試験における試験の質
- 2.2 企業創薬体制と試験の質の保証
- 2.3 非臨床試験での効率的な質の保証
- 3.新薬の価値の形成
- 3.1 規制的観点からみた信頼性基準の理解
- 3.2 新薬の価値
- 3.3 新薬の価値を支える信頼性の基準
- 4.海外データの効率的な利用
- 4.1 海外から新薬の導入
- 4.2 海外施設での「信頼性の基準」
- 4.3 効率的な海外データの利用
- おわりに
第5章 海外導入品の国内申請における留意事項・対応【CMC】
- 1.はじめに
- 第1節 海外導入品の国内申請:申請・審査対応・管理体制等 ~導入元,導入先での対応~
- 1. 申請資料作成上の一般的な留意点
- 1.1 医薬品製造販売申請書(申請書)
- 1.2 Master File (MF)
- 1.3 CTD
- 1.3.1 M2項
- 1.3.2 M3項
- 1.3.3 A項
- 2. 導入形態
- 3. 導入時期
- 3.1 Phase1(P1)以前
- 3.2 P1以降~P3まで
- 3.3 P3以降~申請まで
- 4. 作業分担
- 4.1 導入元
- 4.2 導入先
- 5. その他の対応事項
- 5.1 導入先における第三者機関の利用
- 5.1.1 製造,包装を委託する場合
- 5.1.2 試験を委託する場合
- 5.2 導入先における製造作業実施上の課題
- 5.3 各種試験(受け入れ試験、出荷試験)実施上の課題
- 5.4 カルタヘナ法への対応
- 5.5 導入製品の輸送上の課題
- 5.5.1 輸送中の温度、衝撃管理
- 5.5.2 輸送にかかわる規制上の課題
- 6. 管理体制構築への対応
- 6.1 導入先における体制構築上の留意点
- 6.2 導入元
- 7. 開発スケジュール管理のポイント
- 8. 会議を開催する上でのポイント
- 9. 日常の通信の重要
第2節 海外導入品のCMC申請資料作成:医薬品製造販売申請書、CTD、MF等
~各CMCパートでの製造販売承認申請書,CTDなど申請資料への対応~
- 1. 原薬
- 1.1 MF
- 1.2 製造販売承認申請書(申請書)
- 1.3 CTD
- 2. 製剤
- 2.1 申請書
- 2.2 CTD
- 3. 添加剤(原材料)
- 3.1 申請書
- 3.2 CTD
- 3.3 日本薬局方(JP),日本の公定書適合性
- 3.4 新規添加剤
- 4. その他申請関連での対応
- 4.1 ヒト又は動物起源への対応
- 4.2 外国製造業者認定
- 4.3 照会事項,適合性(書面)調査
- 4.4 GMP適合性調査
- おわりに
第6章 海外導入品CTD申請のCMC分野における留意点
- 1. はじめに
- 2. CTD日本申請におけるM3、M2.3とM1
- 2.1. モジュール2.3(M2.3)の違い
- 2.2. CTDの構造
- 2.3. M2.3とM1
- 3. 根拠資料の入手と保管管理
- 3.1. 不足データの検証
- 3.2. M3の根拠資料
- 3.3. M3根拠資料の入手
- 3.4. 根拠資料の保管
- 3.5. 根拠資料とM3の紐付け
- 3.6. 根拠資料を元にM3を読み込む
- 3.7. 現地確認
- 4. M2.3翻訳時の注意点
- 4.1. 優先順位
- 4.2. M2.3に入れる項目
- 4.3. 用語の統一
- 5. 承認申請書作成上の課題
- 6. 申請資料作成手順まとめ
- 7. 照会事項対応
- 7.1. 回答基本方針
- 7.2. 照会事項回答書の作成の実作業留意点
- 8. まとめ
第7章 海外導入品のCTD申請例?
- はじめに
- 1. 海外導入品のライフサイクルマネジメントとCMC申請
- 2. 海外導入品のCMC申請のポイント
- 2.1 海外導入品のCMC申請準備
- 2.1.1 資料(データ)に関する問題点の例
- 2.1.2 海外・国内資料双方を使用する場合
- 2.2 海外導入品のCMC申請資料作成
- 2.2.1 海外導入品の国内申請にあたって(海外導入品の国内申請での特有事項)
- 2.2.2 海外申請資料の品質パートにおける確認ポイント
- 2.2.3 海外導入品の国内CMC申請資料の作成時の留意点
- 2.3 海外導入品のCMC申請時のライフサイクルマネジメントの検討
- 3. 海外導入品のCMC審査対応のポイント
- おわりに
第8章 海外導入品のCTD申請例?
- はじめに
- 1. 申請資料作成時に参照すべきガイドライン
- 1.1 ICH-Qガイドライン
- 1.2 国内関連通知
- 1.3 CTDモックアップ(記載例)
- 2. 本邦独自の要求事項の反映
- 2.1 JAN(日本医薬品一般的名称)(関連パート:S.1)
- 2.2 原薬及び製剤の製造所の記載(関連パート:S.2.1及びP.3.1)
- 2.3 原材料の日局等への適合(関連パート:S.4,P.1及びP.4)
- 2.4 軽微変更届出事項とした製造工程パラメータ及び承認申請書に記載しなかった製造工程パラメータに関する一覧表(関連パート:M1.13)
- 2.5 有効期間を考慮した単一の規格値(判定基準)(関連パート:S.4及びP.5)
- 2.6 システム適合性(関連パート:S.4.2及びP.5.2)
- 2.7 標準物質の規格及び試験方法(関連パート:S.5及びP.6)
- 2.8 参照スペクトル法の参照スペクトルの添付(関連パート:S.4.2,S.5及びP.5)
- 3. QOS及び承認申請書作成時の留意点
- 3.1 QOS作成時の留意点
- 3.1.1 ロット分析及び安定性試験に使用した原薬/製剤ロット情報
- 3.1.2 安定性試験に使用したロットの包装形態
- 3.1.3 新添加物
- 3.2 承認申請書作成時の留意点
- 3.2.1 成分分量欄及びテキスト欄の添加物の示性値
- 3.2.2 試験方法の合理化記載
- 3.2.3 「%」単位の定義
- 3.2.4 製造工程の流れ図
- 4. 申請資料と製造実態との整合性確認
- おわりに