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【ebook】EXCEL・スプレッドシートの品質保証・バリデーション実施
EXCEL・スプレッドシートの品質保証・バリデーション実施と電子生データ
=Excelを使用してGxPデータを管理する場合の最低限の管理方法=
日常業務でMS-Excel等のスプレッドシートを使用する機会が非常に多いことと思われる。スプレッドシートの特徴は、エンドユーザアプリケーションとして、ユーザが手軽に使用することができるということである。MS-Excelは、ワープロの代わりとして利用することもでき、また計算処理もできる。
しかしながら、製薬企業や医療機器企業において、MS-Excelによる記録の作成等は、21 CFR Part 11 やER/ES指針の要求事項を満たすことができず、そのまま使用することは望ましくない。なぜならば、監査証跡がとれないからである。
MS-Excelは、巷の電機店等では、数万円で販売されている。しかしながら、安いからと言って、ないがしろにしてはならない。MS-Excelといえども、製造記録、試験記録、試験成績書、出荷判定、症例データ、有害事象、苦情記録等の管理や記録に使用した場合、立派なコンピュータ化システムである。しかもこれらの電子データは、リスクの高いものである。なぜならば、患者の安全性や、製品の品質、薬剤の有効性に大きく影響するからである。
本来、品質試験記録や症例データなどのGxPデータを管理する場合は、セキュリティや監査証跡機能を持っているアプリケーションシステムで管理すべきである。しかしながら、一朝一夕でMS-Excelからアプリケーションシステムに移行することも、困難である。
本書では、MS-Excelを使用してGxPデータを管理する場合の、最低限の管理方法について解説します。
目次
■第 1 章 Excel によるGxP データの取り扱い
- 1. エンドユーザアプリケーションとしてのExcel
- 2. GxP データとは
- 3. QC ラボとER/ES 指針
- 4. Excel の使用形態
- 4.1 電卓の代わりとしての使用
- 4.2 一覧表の作成
- 4.3 様式等の作成
■第 2 章 Excel の問題点
- 1. 監査証跡がとれない
- 2. セキュリティの問題
- 3. 入力データの自動チェックができない
- 4. 印刷時に,欠け,はみ出しが起きる
- 5. 有効桁数の問題
- 6. バージョン間の互換性の問題
- 7. マクロウィルス感染の危険性
- 8. 電子署名が使用できない
- 9. 毎回手作業を伴う
- 10. 目次,インデックス等の自動生成ができない
■第 3 章 電子生データとは
- 1. 生データとは
- 2. GLP における生データの定義(FDA)
- 3. 電子生データの特徴
- 4. 電子生データの管理の留意点
■第 4 章 紙が正か電子が正か
- 1. タイプライターイクスキューズ
- 2. ハイブリッドシステムとは
- 3. ER/ES 指針における適用範囲
- 4. Excel の管理の留意点
■第 5 章 Excel の管理方法
- 1. Excel のセキュリティ管理
- 2. セルやシートのロック
- 3. システム台帳への登録
- 4. 版数の管理
■第 6 章 Excel のCSV 実施方法
- 1. 品質の良いシステムとは
- 2. Excel のカテゴリ分類
- 2.1 カテゴリ1
- 2.2 カテゴリ3
- 2.3 カテゴリ4
- 2.4 カテゴリ5
- 3. Excel のCSV 実施方法(カテゴリ4)
- 3.1 開発計画書の作成
- 3.2 ユーザ要求仕様書(URS)の作成
- 3.3 バリデーション計画書の作成
- 3.4 スプレッドシートの作成
- 3.5 検証
- 3.6 バリデーション報告書の作成
- 3.7 台帳登録
- 4. 「本ガイドラインの対象外」の正しい解釈について
※【Excel管理手順書サンプル】
- 1. 目的
- 2. 適用範囲
- 3.用語の定義
- 3.1 GxPデータ
- 3.2 スプレッドシート
- 3.3 ワークシート
- 4.責任
- 4.1 開発責任者
- 4.2 検証責任者
- 4.3 品質保証担当者
- 5.ワークシートの新規作成
- 6.ワークシートの検証
- 7.承認
- 8.ワークシートの改定
- 9.ワークシートの廃止手順
- 10.システム台帳登録
- 11.ワークシートの使用方法
- 12.記録の保管
- 13.本文書の改廃
- 14.参考
- 改訂履歴
■第 7 章 臨床試験データの信頼性保証
- 1. 治験における品質保証システム
- 2. 記録の保存等
- 2.1 バリデーション
- 2.2 標準業務手順書
- 2.3 監査証跡
- 2.4 セキュリティ
- 2.5 バックアップ
- 2.6 アカウント管理表
- 2.7 盲検性の保持
- 2.8 データを常に対比し得ることの保証
- 参考文献