相分離生物学の基礎と創薬への応用に向けた先駆的研究事例/展開
セミナー概要
細胞内におけるタンパク質の機能は、液-液相分離(LLPS)によって制御される場合があることが分かってきました。本講座では、生命科学に起きているこのパラダイムシフトを俯瞰し、今後の展開を考えるための視点を共有します。
相分離生物学と呼べるこの分野の誕生の経緯から、最近の重要トピック、基礎原理、試験管内での再現例までを体系的に紹介します。さらに、創薬への応用に向けた先駆的研究事例も取り上げ、構造生物学から相分離生物学へと至る研究史を概観し、近年タンパク質研究に変革をもたらしているAI技術のインパクトについても紹介します。
講師
白木 賢太郎 先生
筑波大学 数理物質系 教授 博士(理学)
大阪大学大学院理学研究科博士課程修了。北陸先端科学技術大学院大学助手を経て、2016年より筑波大学教授。タンパク質溶液学(安定化・凝集・液-液相分離・粘性制御)を専門とし、著書に『相分離生物学』(東京化学同人)がある。
プログラム
- 相分離生物学とは — オルガネラと非膜オルガネラ、液-液相分離による液滴の特徴
- タンパク質の液-液相分離 — LLPSの再現、液滴から凝集体への成熟、相図から考える原理
- 細胞内LLPSの多様な機能 — スーパーエンハンサー、ヘテロクロマチン、自然免疫応答、翻訳後修飾
- 代謝と酵素 — メタボロン、G-body、酵素反応の空間制御
- 酵素本来の活性を引き出す — LLPSによる酵素活性化メカニズム、2桁の活性化
- 創薬への新しいアプローチ — 分子標的薬、抗がん剤の取り込み、天然変性タンパク質ターゲット
- アミロイド — アルツハイマー薬開発、液滴を介したアミロイド形成、毒性メカニズム
- 歴史:構造生物学から相分離生物学へ — X線結晶構造解析からAlphaFoldまで
- 人工知能とタンパク質研究 — AlphaFold2・3、人工タンパク質設計、酵素の完全設計
- ポスト相分離生物学に向けて
開催情報
- 開催日時
- 2026年3月24日(火)13:00~16:30
- 形態
- ライブ配信+アーカイブ配信
- 受講料
- 49,500円(税込) ※2名同時申込で1名無料
- 主催
- サイエンス&テクノロジー
- 講師
- 白木 賢太郎 先生(筑波大学)
- 配布資料
- 製本テキスト(発送)