においの本質を捉えた、においの見える化・定量化
においの本質を捉えた、においの見える化・定量化
官能評価・成分分析・GCMS・においセンサによる
異臭、悪臭、香気、複合臭の定量と評価手法
📝 講師紹介
喜多 純一 氏
株式会社におい科学研究所 代表取締役
官能評価とにおい定量化の第一人者として、におい分析技術の研究開発に長年従事。元株式会社島津製作所出身で、豊富な実務経験と理論的背景を持つ専門家です。
経歴・専門領域:
• 株式会社島津製作所での豊富な分析機器開発経験
• におい科学分野における第一人者
• 官能評価、GCMS、においセンサ技術の専門家
• 産業界のにおい課題解決に多数の実績
• 株式会社島津製作所での豊富な分析機器開発経験
• におい科学分野における第一人者
• 官能評価、GCMS、においセンサ技術の専門家
• 産業界のにおい課題解決に多数の実績
🎯 セミナー概要
においの定量的評価は多くの企業で試みられていますが、満足な結果が得られていないのが現状です。官能評価がゴールドスタンダードとされながらも、その客観性への懸念があり、GCMSやにおい嗅ぎGC、センサ方式など様々な手法が試されています。
🔬 なぜ期待した結果が得られないのか?
本セミナーでは、においの本質8種を理解し、理論と実践の両面から「においの見える化」に必要な手法を丁寧に解説します。
対象者:
- においの見える化について疑問を持っている方
- においをより定量的に評価したい方
- 担当者への教育を検討されている方
- 既に取り組んでいるが改善を図りたい方
特徴:
講義時間に余裕があるため、においに対する予備知識がない方でも最先端の内容まで理解できる構成となっています。
🎓 得られる知識
においの本質理解
においの定量化を阻害するにおいの本質8種を深く理解できます
定量化手法の習得
においの本質を踏まえた効果的な定量化手法を習得できます
実践的な工夫
においの定量化における具体的な工夫と改善方法を理解できます
📚 詳細カリキュラム
理論から実践まで体系的に学べる充実の6時間
1. においについて知っておきたいこと
- においとは何か?におい成分なの?何種類ある?
- においの3つの側面とは?
- においの本質で知っておくべきこと、検知閾値と、ウエーバーヘフナーの法則
- においの原臭は存在するのか?
2. ヒトがにおいを感じる仕組み
- 嗅覚におけるにおいセンサである嗅覚レセプターとは?
- どのような経路でにおいは認知されるのか?
3. 嗅覚検知メカニズムが原因と思われるにおいの不思議
- いくつかのにおいが混ざったときのにおいは予想できる?
- においがする成分でも、全体のにおいの寄与していない場合があるの?
- マスキング、ペアリング効果とは?
- 嗅覚的ホワイトってなんでしょう?
- オミッション法とはどんな手法?
- においの不思議は科学的に説明できるの?⇒におい質の近さ度合いの研究
- 異臭、悪臭、香気、複合臭って何のこと
- レトロネーザルアロマってなに?
- においの本質8種とは?
4. においの単位
- 臭気強度、臭気濃度、臭気指数とはどんな定義?
- 検知閾値、認知閾値、弁別閾値とは?
- におい質に単位はあるの?
- フレーバーホイールとは?
- 官能評価で用いられるにおいの質とは?
- におい物質の種類はどれくらいあるの?それからにおい質の数は計算できる?
- 自動車、車室内、部品のにおいのにおい質表現(ISO)
5. 見える化①官能評価方法
- 日本における、公定法におけるにおいの強さの決め方の変遷
- 悪臭22物質を基にしたにおい強度測定
- 三点比較式臭袋法とは
- 海外におけるにおいの強さの決め方例
- オルファクトメトリー法(CEN規格)
- 建材、室内臭のにおいの強さの決め方(ISO)
- 2017年の自動車部品、車室内のにおい(ISO)の基礎
- 官能評価の種類 分析型官能評価と嗜好型官能評価
- 官能評価で合否判定をする場合(分析型官能評価で主観をできるだけ排除する工夫)
- 官能評価でスコアー(得点)をつける方法
- 得点をつける方法の一つとしてのQDA法(ISO)
- パネルの選定方法とパネル選定の重要性
- パネル選定の前提となる嗅覚感度測定方法(国内、国外)
- 自動車室内、部品のにおいの強さ測定方法(官能評価ISO)
- におけるパネルの選定方法
- においかおり環境協会の簡易臭気強度の決め方
- 官能評価結果の表現方法
- においの嗅ぎ方による結果のばらつきの低減方法
6. 成分分析方法
- 成分分析装置、GC,GCMSの原理
- におい嗅ぎGCとはどんなものか?
- GCMSの分析結果の導き方
- GCMSの結果とにおい嗅ぎGCの結果を比較してみると
- におい嗅ぎGCにおける各ピークのにおいの強さの決め方3種
- (アロマクロマトグラフィーにおける、ピーク高さの決め方)
- におい嗅ぎGCでの注意点
- GCMSでの結果とにおいの関係性(TVOCの結果)⇒青葉アルコールの例
- におい嗅ぎGCMSの結果を使って、においは再現できるか?(ビールの例)
- クロマトの一つのピークに複数成分が含まれてしまったときの対処方法
- 2DGCMSを利用したフロアマットの測定例
7. 成分分析の前処理方法
- ヘッドスペース測定
- 捕集管を使った加熱脱着TD法 捕集管へのサンプリング方法 捕集管の種類
- ダイレクト加熱法
- モノトラップを用いた方法
- SPMEを用いた方法
8. におい全体の前処理
- 蒸留法(水蒸気蒸留、クーゲルローエル蒸留、SAFE法)
- 溶媒抽出方法
9. においセンサ法
- においセンサ法の原理
- においセンサ法の注意点
10. e-nose(においセンサ)
- e-noseの原理といくつかの研究事例 何故、実用されているケースが少ないのか?
- AIはe-noseを強化できるのか?
- e-noseの問題を解消する方法は?
- におい識別装置は複合臭分析に有効
- におい識別装置の解析方法
- 臭気指数相当値が装置だけで求められる利点(注意点)
- におい識別装置でにおいの近さ度合いが定量化できる利点(注意点)
- 複合臭の中の特定の複合臭に絞った分析が出来る利点(注意点)
11. 異臭の分析
- 異臭の実際
- GCMSとデータベースによる異臭分析例
12. 快不快評価
- 官能評価による快・不快のばらつき(人種の違い)
- におい識別装置を用いた不快度分析例
13. マスキング測定
- におい識別装置を用いた例
14. 複合臭分析の新しい手法
最新の複合臭分析技術について解説
質疑応答
講義内容に関する質問・相談時間