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[書籍] プラズマCVDにおける成膜条件の最適化に向けた反応機構の理解とプロセス制御・成膜事例
プラズマCVDにおける成膜条件の最適化に向けた反応機構の理解とプロセス制御・成膜事例
電気回路、電磁気学、放電工学、流体力学、化学工学、表面科学……様々な学問体系が絡み合う、複雑なプラズマCVDを「使いこなしたい!」と願う技術者・研究者へ
プラズマCVDにおける成膜条件の最適化に向けた
反応機構の理解とプロセス制御・成膜事例
発刊日 | 2018年9月27日 |
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体裁 | B5判並製本 328頁 |
価格(税込) | 55,000円(本体50,000円+税5,000円) |
ポイント還元 | 誠に勝手ながら2020年4月1日より、会員割引は廃止とさせて頂きます。当社では会員割引に代わり、会員の方にはポイントを差し上げます。ポイントは、セミナーや書籍等のご購入時にご利用いただけます。 |
発行 | サイエンス&テクノロジー株式会社 |
送料 | 無料 |
プラズマCVDで「所望の薄膜」を形成するには……本書はそのプロセスへの近道を示す1冊でありたいという想いから、ご執筆様方の多大なるご理解ご協力のもとに発刊されました。
プラズマCVDでは反応系が複雑であるがために、時には場当たり的に成膜条件・レシピを確立させることがあるかと存じます。しかし、もし少しでも狙いが定められるなら、少しでも条件が絞り込めるなら、プロセスの確立とそしてその先に待つ「プラズマCVDの恩恵を受けた部材/製品の開発」により近づくことができるのでは、という考えを基盤として本書を構成しました。
本書1章は「なぜプラズマCVDを使うのか」という問いに始まり、プラズマCVDをはじめとした各成膜手法の利点と欠点を整理・比較しています。その目的は「なぜプラズマCVDを使うのか」という問いに強い説得力をもって答えられるように、その立ち位置を理解する必要があるからだと述べられています。2章ではプロセスプラズマを操る上で理解すべき物理的側面としてプラズマの電磁気学的な構造を、3章は物理的側面と同等に重要な化学反応や輸送過程といった化学工学的な側面を、そして4章には成膜メカニズムがかなり詳細に明らかにされた成膜例をもとに、最終的な膜構造に直結する表面反応の機構が解説されています。
つづく5章ではa-Si:H系膜を堆積する場合を例に成膜時に考慮すべき事柄を、最後に、6章では各専門家が得た成膜プロセス最適化への影響因子に関する貴重なご知見を詳述していただだきました。
本書発刊にあたり、大阪市立大学 白藤立先生をはじめとしたご執筆様方に多大なるご理解ご協力を頂いたことへ、あらためて心から感謝の意を表します。
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目次
- 第1章 目的に応じた成膜方式の選定
- 1. なぜプラズマCVDを使うのか
- 2. ドライvs.ウェット
- 3. PVDとCVD
- 4. PVDとCVDに共通の描像
- 4.1 表面ポテンシャル・マイグレーション・熱
- 4.2 ダングリングボンド
- 5. PVDとCVDの違い
- 5.1 PVD
- 5.2 CVD
- 6. スパッタ成膜
- 6.1 スパッタリング
- 6.2 スパッタ成膜のガス圧力
- 7. プラズマCVD
- 7.1 低温の恩恵
- 7.2 非平衡の恩恵
- 第2章 適切に制御するための「物理的側面」の理解
- 1. 気体放電
- 1.1 気体の電気伝導
- 1.2 タウンゼントの放電理論
- 1.3 電離係数
- 1.4 二次電子放出係数
- 1.5 パッシェンの法則
- 2. 直流放電プラズマ
- 2.1 直流放電プラズマの電流電圧特性
- 2.2 直流放電プラズマの構造
- 2.3 直流放電プラズマの生成過程
- 3. RF 容量結合型プラズマ(RF CCP)
- 4. RF 誘導結合型プラズマ(RF ICP)
- 5. スパッタ用プラズマ源
- 第3章 適切に制御するための「化学的側面」の理解
- 1. はじめに
- 2. 制御パラメータと内部パラメータ
- 3. 一次反応過程
- 4. 二次反応過程
- 5. 輸送過程
- 6. 表面反応過程
- 第4章 最終的な膜構造に直結する表面反応の機構
- 1. 膜構造とその欠陥
- 2. 膜性能を左右する表面反応
- 3. 基板温度設定の指針
- 4. 異なる基板温度で成膜された膜の物性
- 5. イオン関与によるトレンチ埋め込みと膜のストレス緩和
- 6. 成膜前駆体の選択的解離と機能基の含有
- 第5章 成膜条件の最適化において考慮すべき条件
- 1. パウダーの発生制御
- 2. 剥離対策
- 3. 膜質の均一化
- 4. 成膜速度
- 5. 成膜条件がプラズマパラメータおよび膜物性に与える影響
- 第6章 成膜プロセス最適化への影響因子および成膜事例
- 第1節 プラズマCVDによるグラフェンの成長とその場偏光解析モニタリング
- 第2節 産業デバイスに向けたグラフェンナノリボンの大規模集積化合成法の開発
- 第3節 ダイヤモンドの合成技術開発の現状と課題
- 第4節 トライアンドエラーを脱却するためのアモルファス炭素のプラズマ化学気相堆積における表面反応の理解
- 第5節 スケールアップの留意点:成膜装置の規模がDLC膜に与える影響
- 第6節 有機シランを用いたSiN膜開発における更なる低温化(≦120℃)への取り組み
- 第7節 電子デバイス用透明SiNxバリア膜の低温形成技術
- 第8節 OLED用封止膜の低温多層化・柔軟性改善に寄与するCVD/ALD複合装置の開発
- 第9節 超音速噴流を用いた高速・大面積均一な微結晶シリコン製膜プロセス
- 第10節 超親水性コーティングのための酸化チタン薄膜形成技術
- 第11節 プラズマCVD法を利用した樹脂製車窓の開発と成膜条件の検討
- 第12節 高周波非平衡プラズマ中の微粒子の挙動のその場観察・計測と微粒子による汚染の制御
- 巻末付録 「理解を助ける一問一答」
- Q.プラズマはなぜ低温?
- Q.なぜCCPは低密度プラズマでICPは高密度なのか?
- Q.タウンゼントの放電理論は実務で役に立つのか?
- Q.パッシェンの法則は実利的に何かの役に立つのか?
- Q.イオン化・励起・解離の頻度が最も高いところは?
- Q.O2やH2Oが関与すると放電しにくくなるのはなぜ?
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