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[書籍] 企業技術者のためのポリイミド 高性能化・機能化設計
企業技術者のためのポリイミド
高性能化・機能化設計
~ポリイミド固有の構造と特性理解からの指針~
ポリイミドの魅力と可能性を徹底解説
なぜポリイミドが様々な製品へ使用されているのか・・・
なぜポリイミドが優れた物理特性や化学特性を持っているのか・・・
その疑問を紐解くにはポリイミド固有の構造を理解することが重要となる!
ポリイミドの構造と物性の関係性がわかることで高性能化・機能化への設計指針が見えてくる!
ポリイミドの基礎的な知識から応用まで経験豊富な講師が余すところなく解説しました
初学者の方でも既にポリイミドを扱っている方でも必読の一冊です!
本書の特徴
初学者から中堅者にもオススメ!
しっかりとそして丁寧に基礎から解説しますので、初学者でも安心。また既にポリイミドに携わる方の復習としても最適な内容です。
高性能化、機能化に向けたポイント
イミド環構造 VS 高分子の剛直性 VS CT錯体化 3つの要素と物性の関係性。目的のポリイミドを合成するためのポリイミド構造設計の本質を解説。
豊富な実験データを交えて解説
理論だけでなく、実際の実験データに基づいた解説で、より実践的な知識を得ることができます。
可溶性・熱可塑性・熱硬化性などの加工性
目的に応じた加工性を付与する方法を詳しく解説します。
宇宙環境下における耐宇宙線の特性
宇宙用ポリイミド材料に要求される特性と、その実現方法について解説します。
熱制御材料としてのポリイミド設計
断熱性や高熱伝性などの熱制御材料としてのポリイミド設計の考え方を解説します。
5G対応材料として注目の低誘電率ポリイミド
5G対応材料として注目を集める低誘電率ポリイミドの開発と応用について解説します。
透明ポリイミドの開発
耐熱性や屈折率の制御による透明ポリイミドの開発手法について解説します。
液晶配向膜の設計
液晶配向膜などに用いる配向性の付与やメカニズムについて詳しく解説します。
目次
第1編 ポリイミドの基礎
- 第1章 ポリイミド序論
- 第2章 ポリイミドを特徴づける構造
- 第3章 ポリイミドの合成
- 第4章 製品に用いられている代表的なモノマー
- 第5章 ポリイミドの主要特性
第1章 ポリイミド序論
- 1. ポリイミドとは
- 2. 耐熱性高分子としてのポリイミドの位置づけと開発の歴史
- 3. ポリイミドの分類
- 3.1 化学構造から
- 3.2 ビジネスから見たポリイミドの製品形態の分類
第2章 ポリイミドを特徴づける構造
- 1. イミド基構造
- 1.1 イミド基の特長
- 1.2 イミド基濃度
- 2. 剛直鎖構造
- 3. 分子内・分子間相互作用:CT錯体
第3章 ポリイミドの合成
- 1. ポリイミドの重合反応
- 1.1 ジエステルカルボン酸,およびその誘導体から
- 1.2 テトラカルボン酸二無水物から
- 1.3 重合にイミド基生成が関与しないポリイミド合成
- 2. イミド化反応
- 2.1 熱イミド化
- 2.2 化学イミド化
第4章 製品に用いられている代表的なモノマー
- 1. テトラカルボン酸二無水物
- 1.1 入手可能なテトラカルボン酸二無水物のリスト
- 1.2 テトラカルボン酸二無水物の合成
- 2. ジアミン
- 2.1 入手可能なジアミンのリスト
- 2.2 ジアミンの合成
- 2.3 ジアミンの安全性
第5章 ポリイミドの主要特性
- 1. 熱的性質
- 1.1 ガラス転移温度
- 1.2 熱分解温度
- 1.3 熱線膨張係数
- 2. 力学的性質(弾性率・強度,靭性)
第2編 ポリイミドの応用と製品設計
- 第6章 ポリイミドの加工性
- 第7章 宇宙用ポリイミド材料
- 第8章 ポリイミド熱制御材料
- 第9章 低誘電率ポリイミド
- 第10章 透明ポリイミド
- 第11章 液晶配向膜
第6章 ポリイミドの加工性
- 1. 可溶性
- 2. 熱可塑性
- 2.1 結晶性ポリイミド構造
- 3. 熱硬化性ポリイミド
- 3.1 マレイミド型:ビスマレイミドへのジアミンのマイケル付加反応
- 3.2 PMR(in situ Polymerization of Monomer Reactant)
- 3.3 熱硬化ポリイミドの開発技術
第7章~第11章
- 第7章 宇宙用ポリイミド材料
- 1. MLI膜(熱制御ポリイミド,熱保護膜)
- 2. 宇宙帆船IKAROS(熱可塑ポリイミド)
- 3. 原子状酸素耐性ポリイミド
- 第8章 ポリイミド熱制御材料
- 第9章 低誘電率ポリイミド
- 第10章 透明ポリイミド
- 第11章 液晶配向膜
- 1. 液晶配向膜とは
- 2. 液晶配向膜の基本特性
- 2.1 配向能としてのプレチルト角
- 2.2 液晶配向膜の電気的性質
著者プロフィール
書籍推薦文
ポリイミドはスーパーエンジニアリングプラスチックの中で最高の耐熱性を有し、耐熱フィルム、保護膜、フレキシブルプリント基板、液晶配向膜など電子材料やデイスプレ材料として広く用いられ、今後も携帯電話、デイスプレイ、リチウムイオン電池等へ、その機能性を高めたポリイミド材料の展開が期待されている。本書は「企業技術者のためのポリイミド 高性能化・機能化設計」と題してポリイミドの基礎からその応用製品にまで解説している。
具体的には、まず”ポリイミドとは”から始まり、ポリイミドを特徴づける構造や開発の歴史的経緯ついて説明している。次に、各種のポリイミドの合成法とモノマーのテトラカルボン酸やジアミンの紹介とその合成法、ポリイミドの構造と物性の関係、加工方法について豊富なデータを示しながら分かり易く解説している。後半では、ポリイミドをいかに高性能化するか、多くの事例を示しながら、その熱的性質、力学的性質の基本的な意味とその発現の要因を紹介している。更に、機能化の分子設計では、ポリイミドを用いた熱制御材料、電子材料、デイスプレイ材料、ガス分離膜などを取り上げ、その材料としての重要性を示しながら、これら機能発現の分子設計法を具体例で示している。この章を通じて機能化の方法を学習し、同時に企業の開発研究者が実用化の考え方を学べる構成になっている。
著者は長年、企業で研究開発に携わり、幾つかの製品を市場に出した実績を有している。これまでに培ったこれら高分子材料に関する広範な知識、経験そして知恵を基に、思い入れの大きくかつ工業的に重要なポリイミドに着目し、本書を執筆している。この書はポリイミドの専門書であり、企業の研究開発者、技術者のみならず高分子材料を学習中の学生にとってもポリイミド全般を理解するために最適であると同時に研究開発に取り組む姿勢も教示してくれている。ポリイミドに対する著者の大変な情熱を感じる本であり、是非手に取り、熟読してほしい。本書が多くの方に活用されることを祈って、ここに推薦します。
書籍情報
タイトル | 企業技術者のためのポリイミド 高性能化・機能化設計 ~ポリイミド固有の構造と特性理解からの指針~ |
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発刊日 | 2020年12月25日 |
体裁 | B5判並製本 約273頁 |
価格(税込) | 66,000円 定価:本体60,000円+税6,000円 |
発行 | 後藤技術事務所 代表 後藤 幸平 氏 |
カテゴリ | 高分子材料, ポリイミド, 材料設計, 機能性材料 |
お問い合わせ
株式会社イーコンプレス 丁田 由美
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