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[書籍] 環境対応型塗料・塗装技術
環境対応型塗料・塗装技術
環境負荷低減に貢献する、塗料設計/塗装技術開発と研究動向
VOC/CO2排出量削減、塗料・塗装系廃棄物の適切処理と減量、天然由来成分利用
環境対応型塗料・塗装技術
本書の特徴
- 低酸素社会の実現/大気汚染対策等、環境問題への対応が急がれる今、環境負荷の少ない製品・技術の開発と拡充に向けて考えるべきこと、すべきことを解説
- 原材料の調達から廃棄・リサイクルまでトータルで環境負荷を見つめ直すための、塗料・塗装関連技術を詳説
- 水性塗料の更なる高機能化や塗装作業性の向上、有機溶剤から水に溶媒を変換する際の問題解決法を紹介
- 粉体塗料のVOC削減以外のメリットや課題解決法について詳しく解説
- ゼロカーボンへの対応を目指す塗装技術や乾燥技術、省エネルギー化の実践例を紹介
- 塗料・塗装系廃棄物の適切な処理方法と3Rへの取り組み事例を提供
- 天然由来成分の利用や生態系への配慮に関する最新技術と研究動向を網羅
本書について
2030年の温室効果ガス削減目標、そして2050年カーボンニュートラルに向けて、多くの企業がそれら共通課題へと取り組んでいます。塗料・塗装業界においても同様であり、環境保全意識や社会的要請の高まり等から、環境対応製品・技術の開発や普及へと尽力されています。
これまでも揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制に向けて、大気汚染防止等の観点から、溶剤形塗料の置き換えが進められてきました。具体的には、塗料の水性化・粉体化・ハイソリッド化、塗着効率の向上、塗装工程の見直し等が挙げられると思います。
その結果、たゆまぬ努力によって、VOC削減を図りながら塗装作業性や塗膜品質の向上をも叶える製品もたくさん登場しました。とはいえ、中には「塗料水性化によってVOCは削減できたものの、溶媒の特性上、乾燥工程におけるCO2排出量が増加した」というケースも見受けられます。「あちらを立てればこちらが立たぬ」ではなく、この場合はVOC対策とCO2対策が両立できる、つまりVOCとCO2両方の削減が可能となることこそが真に求められているのではないでしょうか。
いち工程だけでなく、トータルでみたときにも環境保全に寄与すること、工業利用に適した製品品質・安全性等を確保していること、そして、ユーザや作業者にベネフィットを与える技術・製品であること――本書は上記3つの視点から、企画構成いたしました。
求められていることは多くその一つ一つに障壁がありながらも、その問題解決には多くの道筋があると思います。企業として、事業戦略として、担当製品・技術としての方向性のもとに、よりよい技術・製品を提供するべく日夜奮闘されている皆様にとって有意義な1冊でありたいと願うばかりです。
目次
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第1章 工業塗装における環境負荷とSDGsを目指す対策1. 塗料・塗装の環境負荷の歴史2. LCAによる塗料・塗装の環境負荷評価3. VOCへの対応の結果と教訓4. 国際的テーマとなったゼロカーボンへの対応5. 産業廃棄物6. 塗膜の環境負荷7. SDGsを目指す塗料・塗装面での主テーマ
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第2章 日米欧中におけるVOC規制の概要と差異1. 日本のVOC規制2. アメリカのVOC規制3. EUのVOC規制4. 中国のVOC規制
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第3章 塗料設計・塗装プロセスからの環境対応策第1節 水系化技術とトレードオフ関係の解消に向けて第2節 粉体塗料と更なる高性能化と技術課題への取り組み第3節 塗装/塗膜形成過程と省エネルギー化第4節 塗料・塗装時に生じる廃棄物の適切処理と3R第5節 自然由来の原料,生態系への配慮
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丁田 由美
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