日米欧規制当局の安全性情報に対する考え方や捉え方の違いを明確に

日米欧で目指す安全対策とは?

日米欧では、安全対策実施に対する考え方や、それに伴う体制に関しても大きな違いがあります。安全対策実施に関し、どこに、どのような違いがあるのか、無いのか。

本書の特長

『治験時の安全管理情報』、『市販後の安全管理情報』

詳細に紐解いていくことで、日米欧のスタンスの違いと対応の違いを解説

『有害事象評価に関する判断基準』

日常の実務面で比較的頻度高く遭遇する代表的な事例を出来る限り列挙し提示

『グローバルPV体制構築とPVベンダーコントロール手法』

企業のpharmacovigilance部門の組織、稼働システムについて、最も的確なシステムとみなされている欧州のGVP moduleを紹介し、ポイントを解説

例題を通じて理解を深める

【例題1】

AB-12345という化合物の治験で、未知事象である間質性肺炎を発症し入院した症例があった。この事象に関し、治験責任医師は「間質性肺炎とAB-12345の関連性はある」との評価をしていた。一方、企業評価としては、「間質性肺炎とAB-12345の関連性はない」と評価を行った。

⇒ この場合、日米欧での規制当局への報告の要否はどうなると考えられるか?

【例題-20】

以下の情報をコールセンターで受領した。自社医薬品で腹痛(未知)が発現し入院に至ったという1名の副作用情報を入手した。以下に、患者の基本情報を記載する。

・イニシャル:不明
・性別:男性
・年齢:不明(年齢層:不明)

⇒ この場合、日米欧での規制当局への緊急個別症例報告は必要か?

【製本版】
27,500円(税込)

定価:本体25,000円+税2,500円

【製本版+ebook版のセット】
38,500円(税込)

定価:本体35,000円+税3,500円

発売日

2021年5月27日

フォーマット

ebook版(PDF)+ 付録(PDF)
(WEBブラウザ上、または専用アプリケーション「bookend」より閲覧頂けます)
※このebookは印刷不可・コピー不可です。

体裁

B5判 並製本 106頁(製本版)
PDF(ebook版)

ISBNコード

【製本版+ebook版】978-4-86428-259-8

著者紹介

第1部:グローバルでの安全管理情報収集・報告編

小林 秀之 氏

MSD(株) PV領域安全対策部長 安全管理責任者 医学博士

【主な業務/専門】医薬品・医療機器に関する安全性情報管理業務

第2部:グローバルにおける日本との症例評価・有害事象評価の違いとコーディング

大手外資系製薬企業 臨床開発担当者

安全管理責任者 医学博士

【主な業務】臨床試験プロトコル作成、有害事象安全性評価・報告、当局査察対応

第3部:グローバルPV体制構築・ベンダーコントロールとPV Audit

岩岡 貞樹 氏

ロックヒルコンサルティング 代表 理学博士

【経歴・主なご専門】
・三共(株)(現 第一三共(株) 安全性情報部部長代理
・(株)CAC 受託安全管理実施責任者等・Executive Consultantを経て現職
・ICH E2B EWG 産業側(JPMA)代表
・ICH E2D EWG 産業側(JPMA)代表・Rapporter
・臨床開発における安全性情報管理責任者
・市販後安全性情報管理責任者
・グローバル安全性DB構築責任者

書籍構成

<第1部: グローバルでの安全管理情報収集・報告編>

  • 第1章:安全管理情報収集の目的について(はじめに)
  • 第2章:安全管理情報の収集体制について
  • 第3章:日米欧で目指す安全対策とは

<第2部:グローバルにおける日本との症例評価・有害事象評価の違いとコーディング>

  • 第4章 有害事象における3要素のグローバルでの違い
  • 第5章 有害事象/副作用の読み替え基準(ケーススタディ)、日英コーディング
  • 第6章 海外症例(CIOMS)検討事例

<第3部:グローバルPV体制構築・ベンダーコントロールとPV Audit>

  • 第7章:グローバルPVシステムとしてのEU GVP Moduleの理解
  • 第8章:グローバルPV体制構築とPVベンダーコントロール手法
  • 第9章:PVグローバル体制維持のためのPV Audit

詳細内容

【第1部】 治験時の安全管理情報について解説

  • ※治験時の安全管理情報について、さまざまな観点で取り扱いが日米欧で異なる
  • <FDA>基本的に企業が実施した治験時のデータをFDA側に提出させ、FDA側で安全性・有効性を最終的に評価決定する姿勢を取っている
  • <EMA/PMDA>治験を実施する企業側に責任が有するという考えに立脚し、それを規制当局が評価を行うという姿勢を取っている

【第1部】 市販後の安全性情報について

  • 幾つかの点で、日米欧での取り扱いの異なる点がある
  • <FDA>情報を収集する体制を万全にし、少しでも多くの情報を収集・保持することによって、より精度の高い解析を実施し、治験時と同様にFDA自らが安全対策を主導・実施する体制を整えている
  • <EMA>基本的に企業側に安全対策の主導・責任を託し、それをEMAが監視を行うという体制を取っている
  • <PMDA>基本は企業主導で安全対策を実施する体制を取っているが、EMA程強固な体制を整えている訳ではない

【第2部】 有害事象評価に関する判断基準

  • [相当因果関係評価の基準]
  • [関連性評価]
  • [重篤性の基準]~日本と欧米の違い
  • [予測性評価]

【第3部】 グローバルPV体制構築・ベンダーコントロールとPV Audit

  • ■EU GVP module I(Pharmacovigilance systems and their quality systems)とModule II(Pharmacovigilance system master file)の解説
  • ■グローバルPV体制構築とPVベンダーコントロール手法
  • ■PVグローバル体制維持のためのPV Audit