書籍情報

著者

■編著者■ 嶋田 薫 ラクオリア創薬(株)

■著者■加藤 浩 日本大学大学院【元特許審査官】

発刊日
2015年1月29日
体裁
B5判並製本 523頁
価格
66,000円(税込)
送料
無料

「わが国が、将来も生き残り、繁栄するための重要な方策として、革新的な新技術や新製品を世界に提供し続けることが考えられます。医・薬分野は、人類の健康と生命に大きな影響を持つ、世界的に最も重要な産業分野の一つです。

この本は、医・薬研究者のための戦略本です。今日、医・薬研究者には、研究によって発明を生みだし、研究成果から、特許制度をうまく利用して、事業を発展させるために有益な特許発明を創製し利潤を生むことが、事業者はもちろんのこと、国の富の源泉として、各方面から期待されています。

医・薬発明は、特許出願から新製品として発売するための開発に15年程度の長期間を要し、折角新薬を世に出すことに成功しても、残りの特許期間が短く、研究投資すら充分に回収できないことがあります。

この課題を解決するために、医・薬研究者が、どのように取り組むべきかについてのノウハウを、明快に、興味深く、教育的に、見事に解説されています。一旦読み始めると、ワクワクしながら、一気に読み終える、魅力溢れる作品です。医・薬関係研究者のみならず、企業や大学の知財関係者、開発関係者にとって,必見の書です。さらに、医・薬以外の分野の研究、開発、知財関係者にとっても同様に有用です。」

岩谷 龍 先生(岩谷国際特許事務所 所長 弁理士 [元 武田薬品工業(株)])

本書の特長

  • 頁数:700 ペ ー ジ 超え! 充 実 の 一 冊 !!
  • 製品開発・事業開発・ライセンス部門でLCM・DR戦略に携わる従事者のみならず、特に、創薬・製剤・薬物動態・分析・薬理などの研究者が「主役」となってLCM・DRを提案するアイデアやヒント・事例が満載!
  • バイオ医薬品・AI創薬・ドラックリポジショニング事例・薬価戦略等、新項目の追加&最新の観点へ全面改訂し、多数の事例を追加
  • 「医薬品ライフサイクル戦略」として,先発メーカーから見た強固なLCM戦略はもちろん,ジェネリックメーカーから見たLCM延長戦略の穴や,先発メーカーが気づかないジェネリックメーカーの智慧・知財洞察力についても記載
  • 創薬研究のパラダイムシフトを踏まえて,研究部門や開発部門の方にも基本的なことから解説を加え,さらに実戦で起こった判例を踏まえて,次なる策を考えていただけるように配慮

目次

第1章 創薬研究のパラダイムシフト(嶋田 薫)
第1節 医薬品業界の再編
第2節 開発中止理由の変化

第2章 変化する研究環境(嶋田 薫)
第1節 急変する薬事行政
1.1薬価循環下落型の制度の崩壊
1.2 方針を180度急転換した薬事行政
1.3 後発医薬品の承認について
1.4 厚生労働省の承認方針の激変

第3章 LCMに関する基礎知識(嶋田 薫)
第1節 法律と審査基準
第2節 研究者に直接関係する特許法条文
第3節 LCMに活用される特許
第4節 特許クレームの読み取り法
第5節 特許クレームのことば一つで権利化の成否が変わる
第6節 研究者・マネジメントの会社を潰す駄目な行動

第4章 特許期間延長制度活用によるLCM戦略事例検討とそのウラ側にある権利化の穴(嶋田 薫)
第1節 日本の特許期間延長制度
第2節 欧州の特許期間延長制度
第3節 米国の特許期間延長制度
第4節 製剤特許の期間延長問題
第5節 用途特許の期間延長問題
第6節 用法・用量特許の期間の延長問題
第7節 併用,配合剤の延長問題
第8節 海外での臨床試験期間は,存続期間延長登録への期間に算入できるか

第5章 【事例】各社のLCM戦略事例検討とそのウラ側にある権利化の穴(嶋田 薫)
第1節 LCM戦略概観
第2節 結晶多形特許係争
第3節 研究の真の目的と意識改革
第4節 実施例や方法を記載する際の落とし穴
第5節 落とし穴からの学び
第6節 記載要件の落とし穴
第7節 データの後出し
第8節 訂正審判の活用事例
第9節 自社特許が先行技術となってしまう落とし穴
第10節 結晶多形,水和物,塩によるLCMとその落とし穴
第11節 光学活性体によるLCMとその落とし穴
第12節 活性代謝物によるLCM
第13節 製造中間体の特許取得によるLCM
第14節 併用,配合剤によるLCMとその落とし穴
第15節 併用の用法特許によるLCM戦略
第16節 製剤によるLCM
第17節 製法特許によるLCM
第18節 後継品へのスイッチによるLCM戦略事例とその成功・失敗
第19節 自社のLCMビジネスを他社が実践し,成功した事例

第6章 審査官から見たノウハウ管理・特許延長に配慮した明細書の書き方(加藤 浩)

第7章【事例】バイオ関連特許の判例とLCM戦略(嶋田 薫)
第1節 バイオシミラーの承認申請とバイオ後発品
第2節 バイオシミラーと特許事例
第3節 生物関連発明の審査基準

第8章 研究者と知財担当者の協力から生み出される知恵に学ぶ(嶋田 薫)
第1節 研究者を巻き込んだ明確なLCM戦略
第2節 用途や用法用量の発明等によるLCM-ドラッグ・リポジショニング事例
第3節 ドラッグ・リポジショニングにおける先行文献の扱い
第4節 多様化する先発メーカーの販売戦略
第5節 研究者のLCM戦略に対する気づき

嶋田 薫

ラクオリア創薬(株)

創薬研究者としての経験、アカデミアでの教育、会社での知財業務を通して優れた医薬品知財管理の見識を持ち、粘り強い当局との交渉力は会社にとっての有力な武器となっています。本書ではその経験、見識、戦略を余すところなく紹介しています。

加藤 浩

日本大学大学院【元特許審査官】

元特許審査官としての深い知識と経験を活かし、審査官の視点からノウハウ管理・特許延長に配慮した明細書の書き方について詳しく解説しています。