セミナー概要

約120ページのテキストと約30のLTspice回路ファイルを使用した実践的な講座

EMC設計・対策のためのノウハウや定石を単に伝えるのではなく、EMI(電磁妨害)発生のメカニズムやEMS(電磁感受性)低減の原理を理解して、製品開発の初期段階からEMC問題を起こしにくい設計を実践できる知識の習得を目標とした講座です。

講座の特徴

  • 定量的な設計を行うために数式を用いていますが、数式の理解を容易にするために式の導出についても省略せずに記述
  • SPICE解析事例も示すことで、数式の理解が不十分であっても感覚的に理解できる構成
  • 電磁界シールド効果においては効果を定量的に算出できるAlexander Schelkunoffの手法について解説
  • EMC設計の基本となる放射電界の計算について、アンテナ理論とコモンモード・ディファレンシャルモード電流を使い数式を使用して定量的に解説
  • 実際に近い差動配線回路系のLTspiceによる過渡解析、FFT解析、アイパターン解析事例を解説

講座受講後の講師への質問は期間・内容とも制限を設けずに受け付けます。

受講後に得られる知識・スキル

  • コスト効率と技術的効果を両立させたEMC設計が可能になる
  • 電磁界シールド効果を計算できるようになる
  • コモンモード、ディファレンシャルモードによる放射電界を計算できるようになる
  • 差動伝送線路のSPICE解析モデルを作成し、過渡解析、FFT解析、アイパターン解析ができるようになる
  • 電磁界シミュレータを使用するための基礎的知識が習得できる
  • Maxwell方程式をイメージで理解するきっかけが掴める

対象受講者

  • EMC設計を理論的に行いたい方
  • 電気系設計の経験者、中級以上の方
  • 電気系設計のリーダーを目指す方
  • 以下の講座内容程度の知識を持っている方:
    • 「LTspiceで学ぶ電子部品の基本特性とSPICEの使いこなし」
    • 「LTspiceで学ぶシグナル・パワーインテグリティ設計・解析の基礎」

プログラム内容

1. セミナー概要

  • 講座の狙い、到達目標
  • 講座内容

2. EMC対策からEMC設計

  • EMC設計の必要性
  • EMC用語と関係
  • EMC設計手法

3. 共振

  • LC共振
  • 配線の共振
  • 平行平板共振
  • 共振の予防と対策

4. 静電誘導・電磁誘導とシールド

  • シールド理論
  • 静電シールド
  • 磁気シールド
  • 渦電流によるシールド

5. アンテナ

  • EMC設計とアンテナ
  • ダイポールアンテナと放射電界
  • ループアンテナと放射電界
  • ダイポールアンテナ、ループアンテナの放射電界比較
  • スロットアンテナ

6. ディファレンシャルモード,コモンモードと放射電界

  • ディファレンシャルモード、コモンモード
  • コモンモード信号発生のメカニズム(コモンモード変換)
  • 放射電界強度

7. EMC対策部品

  • スペクトラム拡散クロック
  • フェライトビーズ
  • ノイズフィルタ
  • 電磁波吸収体

8. SPICEを使ったシミュレーション例

  • LVDS伝送路のシミュレーション
  • SPICEシミュレーションへの周波数依存損失パラメータの導入

9. まとめ

appendix

  • 過去の質問と回答
  • 電磁界シミュレーション
  • 回路設計者のためのMaxwell方程式入門の入口

講師紹介

青木 正 氏
TEQ Consulting 代表
経歴:
• 半導体メーカー(8年)- 光半導体の信頼性技術、CMOSICの回路設計
• 光学・OA機器メーカー(34年)
 - 購入半導体の品質保証システムの構築(10年)
 - 信頼性評価、故障解析、製造工程評価、事業部開発支援
 - ディスプレイモジュール開発設計(14年)
 - シミュレーションモデル開発、ドライバIC開発、電気系開発設計
 - 特殊エリアセンサーの開発、エリアセンサーの製品技術、品質保証(5年)
 - 社内電気系研修コンテンツ開発・講師(5年)
 - SPICEシミュレーション、電磁気学、信頼性設計、熱設計、計測技術、ESD対策
• コンサルタント事務所設立(4年)
 - 電気系設計開発社向けセミナー(EMC設計、SiPi設計、熱設計、信頼性設計など)
 - コンサルティング(シミュレーションモデル開発、SiPi設計、EMC設計、信頼性設計)
 - 技術人材開発に関するコンサルティング