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[書籍] 技術移転(試験法・製法)実施手順と同等性確保 ー各ステージ別対応・製造委託先管理(国内/海外)事例ー
技術移転(試験法・製法)実施手順と同等性確保
ー各ステージ別対応・製造委託先管理(国内/海外)事例ー
定価:本体55,000円+税5,500円
※書籍をご購入の方は10,000円(税込10,500円)にてebook版をご購入いただけます(発刊日12/23まで)
【 監修者の言葉 : 国立医薬品食品衛生研究所 檜山 行雄 氏 】
本書は「技術移転」を切り口とした企業の経験・知恵の集合体となっている。早期開発(第4章)、原薬(第5章)、製剤(第7章)、バイオ医薬品(第10章)は、専門・技術的論点からのその道の専門家でしかできない解説である。業務の体系化と工夫についてICHの議論を通じた一般的示唆が第1章、第2章および第3章にある。技術移転の課題は技術的なものだけではなく組織間のコミュニケーションの問題がすべてにかかわってくる。筆者の企業経験では開発の中の異なる部門間でさえも、異なる存在意識が共同作業を困難にさせる。研究開発の『不完全性』も考慮すると、『研究開発成果を生産担当事業所へ伝える』という単純な構図で捉えるべきではないという意識からTechnology Transfer(技術移転)の相当の活動をCo-Development(共同開発)と呼ぶようにして意識改革を目指す企業もある。委受託事例(第6章, 第8章, 第9章, 第11章)には、競争力についての考慮が多く含まれている。ガイドラインには示しにくいものの非常に有益な要素である。本書は「技術移転」に関与する企業の実務者だけでなく、業務統括をする経営層にも有益な内容となっている。また、本書記載の企業の抱える課題・実態は行政(審査・調査)で働く方々へも大変有益な情報提供になり、行政の業務への重要な資料となるものと感じる。(本書「序章」より一部抜粋)
「技術移転」を切り口とした企業の経験・知恵の集合体!
技術移転関連の実務担当者はもちろん、
業務統括をする経営層、行政関係者等にも有益な一冊!
QbDアプローチ・ICHQ12(医薬品ライフサイクル)の観点からみた技術移転の課題及び対応のための業務の体系化・工夫とは?
なぜ、Q10が技術移転を効率的・効果的に進めるために有用なツールと考えられるのか根本から理解できる!頻出する用語の正しい読み解きや背景を理解した上で、実際に技術移転を行う上での各段階での検討事項・評価の視点を学ぶ!ICHQ12(医薬品のライフサイクルマネジメント)の議論状況をふまえ、現状に至るまでの背景、内容・適用範囲などを根本から理解!医薬品ライフサイクルを遂行する観点から、技術移転における課題・対応を考える!
なにを「いつ」「どの程度」行うか?技術移転成功のための、開発ステージ時々で変わる開発戦略とは?
最良な技術移転を行うための、原薬の開発ステージ時々での最善な開発戦略とは?対応事例をふまえ各段階で注力すべきポイントを解説し、同等性確保を考慮した原薬の技術移転について現実務従事者方々より学ぶ!同等性確保の観点から、原薬開発・製剤開発の技術移転について実際の事例をふまえて解説!
多様化する国内外CMOへの製造委託・・・委託先の選定から管理、実際に起こるトラブル事例、製造CMO毎に必要となる海外当局における各種対応とは!
製造技術移転と海外CMO への製造委託の観点から,トラブル事例を交えて管理体制について解説!委託業態の分類や委託の実際に即した詳細な推奨事項・事例を紹介!製造CMO 毎に異なる海外当局における各種対応についても解説!
バイオ/抗体医薬品において製造委託が一般的となっている中、目的通りに製造してもらうための委託体制構築のポイントとは?
バイオ/抗体医薬品の技術移転においては、どのような点に注意すれば外部委託製造を成功に導くことができるのか?製造及び試験の委託先の新たな利用や、委託先を変更する際に重要な技術移管のポイントについて、規制要件の観点や各開発段階ごとの事例をふまえて解説!
目次
第1部 技術移転における業務システム(医薬品品質システム)上の課題とQbDアプローチ
- 序章 技術移転における品質一貫性確保に向けて
- 第1章 技術移転における医薬品品質システム上の課題とQbDアプローチ
- 第2章 医薬品品質システムの中の技術移転の課題
- 第3章 ICH Q12をふまえた管理戦略と技術移転
第2部 技術移転の種類別の事例/対応~製法/試験法の技術移転における同等性確保と対応事例~
- 第4章 開発初期段階における原薬製造の技術移転を成功させるためには
- 第5章 原薬における開発戦略に合わせた技術移転
- 第6章 製剤における技術移転事例:A社からB社への製品移管計画書の例
- 第7章 技術移転における製剤技術的要件と留意点
- 第8章 委託先選定と管理
- 第9章 国内/海外委託先の管理・トラブル事例
第3部 バイオ医薬品における技術移転・CMO委託
- 第10章 バイオ/抗体医薬品における技術移転と同等性/同質性評価
- 第11章 バイオ医薬品製造における国内/海外CMOの選定・契約・委託管理
本書より抜粋
技術移転における医薬品品質システム上の課題とQbDアプローチ
技術移転については「開発から製造への期間における新規製品の技術移転」と「市販品についての製造所内及び試験室内または製造所間および試験室間の技術移転」の2つを示している。 ICHQ10(医薬品品質システムに関するガイドライン)は、ICHQ8(製剤開発に関するガイドライン)、ICHQ9(品質リスクマネジメントに関するガイドライン)、ICHQ11(原薬の開発と製造(化学薬品及びバイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)を補完する、実効的な医薬品品質システムに対する一つの包括的なモデルとされていることから、本章では、技術移転における医薬品品質システム上の課題について、ICHQ8,9,11の中でも主要用語と考えられるQbDアプローチをkeywordとして解説を試みることとする。……(本文へ続く)
ICHQ12をふまえた管理戦略と技術移転
…… ICHが目指すサイエンスとリスクベースのアプローチはより効率的な開発、審査を行い、さらに承認後の変更に伴う「柔軟な対応」の実現に向けた協議がさらに必要となった。本稿では、このような現状を反映して、ICH Q12がどのような課題についてどのように解決に向けた議論を重ね、完成に向けて作成されているかの内容の紹介と、新たに提案するエスタブリッシュトコンディションとICH Q8、Q10で議論された管理戦略の内容について紹介する。また、医薬品ライフサイクルを遂行する上で不可欠な技術移転の際に製品品質の一貫性を維持するにはどういった項目の技術情報の伝承が必要となるのかも合わせて紹介する。なお、技術移転で紹介する項目については、技術移転元での開発手法がこれまでのICHガイドラインを参考に完成されることが前提となるが、詳細については、省略する。…………(本文へ続く)
原薬における開発戦略に合わせた技術移転
…… 医薬品(新薬)の開発では、基礎研究(創薬研究または探索研究)で見出されたリード化合物が原薬として開発され、それが実際に人へ投与されてその安全性及び有効性が臨床試験(治験)として検証される。人へ実際に投与されるのは製剤(錠剤や注射剤等)であるが、安全性及び有効性に直接影響する原薬については、その開発過程での品質の一貫性の確保(同等性確保)が重要となる。原薬開発において、この品質の一貫性を確保した上で製法及び試験法の技術移転を行うことは不可欠であり、その作業手順は開発ステージによらず共通する部分も多い。また、試験法の技術移転において「何をどのように行うか?」という観点では、原薬開発と製剤開発においてそれぞれの対応事項に大きな違いはない。しかしながら、「何をいつどのようにどの程度行うか?」という観点で考えると、製剤開発とは異なり、原薬開発では開発戦略や開発ステージに合わせてその最善のやり方は異なってくる。ケースバイケースと言ってしまえば説明は簡単であるが、この複雑な状況について、本章では原薬の開発ステージごとに注力すべき要点を説明した上で、原薬の技術移転について事例も交えて説明する。なお、原薬開発ステージ全体を考慮した際の最善の原薬の技術移転についてイメージしてもらうために、まずは原薬と製剤の開発戦略の相違点について筆者の考えを緒論として紹介したい。…………(本文へ続く)
「技術移転」に関わるすべての方々へ
本書は技術移転の実務担当者はもちろん、業務統括をする経営層、行政関係者等にも有益な一冊です。技術移転における課題解決のための実践的な知識と事例を今すぐ手に入れましょう。