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[書籍] 自動車パワートレーンの電動化/省燃費技術/環境規制の今後の動向
自動車パワートレーンの電動化/省燃費技術/環境規制の今後の動向
~自動車パワートレーンの電動化(48V,PHEV,EV等)技術を俯瞰する~~今後の地球環境規制の動向や主要国のEV化の方針~~主要カーメーカーの今後の電動化戦略の最新情報~~2050年を見据えた今後の自動車のパワートレーン分野の動力源別ロードマップ~~省燃費技術の今後の動向~
定価:本体50,000円+税5,000円
✔EV化や自動運転等の大きな変革の波、異業種会社の参入、100年ぶりの大変革の時期に対処する!
✔自動車の心臓部、パワトレ周辺技術の現状と今後の流れを、俯瞰し把握する!
✔自動車業界、自動車関連会社にとっての今後のビジネス展開へ。
はじめに
最近、「100年に一度の変革期」、「CASE」や「MaaS」(Mobility as a Service)という言葉を、メディアでよく見聞きするようになっているかと思うが、その「CASE」(コネクティッドカー、自動運転、シェアリング、サービス、電動化)という4つの新しい技術の潮流が自動車産業に押し寄せてきていて、従来の自動車会社も現在のビジネス形態を見直す動きが出始めている。
この4つの新技術はお互いに関連が深く、そのうち電動車(特にEV)は従来のエンジン車に比べて、主に電気モーターで車を動かすため、制御の応答性の良さや低速域での高トルクのため、自動運転との親和性が高いと言われていたり、更に短距離移動が主なシェアリングサービス(MaaSの先駆的なビジネス)の場合、ランニングコストが少ない電動車(特にEV)は最適であり、今後自動運転車やシェアリングサービス車にも電動車が多く使われていくと予測される。
更に昨今は地球環境保護が強く叫ばれており、地球温暖化に大きな影響を及ぼす車のCO2排出量の削減規制がグローバルに進んできており、今後増々規制が厳しくなっていく。本来は地球温暖化対策としては、燃料や電力を造りだす段階に発生するCO2量から、車の排出CO2量までのWell to WheelでのトータルなCO2量を削減していくことが必要であるが、現在は車の排出CO2量削減規制が先行して進んでおり、規制をクリヤーするために車の電動化が急速に進んでいくと予測される。
本書では、電動化の大きな流れの背景である環境規制の動向や各国の今後の電動化政策の動向に始まり、車からの排出CO2量と密接に関係する内燃機関の熱効率向上技術や、車の軽量化技術、更には将来を見据えたパワートレーンの動力源ロードマップ、各電動化技術(HEV、PHEV、BEV(一般に言われる電気自動車)、FCV(燃料電池車)等)の特徴と動向、更にEV化で影響を受ける既存製品や新たに今後注目される新製品動向や、今後の電動化普及のキーとなる次世代電池の最新技術動向について、わかりやすく解説する。
自動車業界の重要な技術トレンド
各国の環境規制と電動化政策の最新動向
世界の主要国の排ガス・燃費規制動向や、ディーゼル排ガス不正問題に関連した新たな規制、各国の電動化政策の最新情報を詳細に解説します。
省燃費技術と軽量化素材の最新動向
過給ダウンサイジング、アトキンソンサイクル等の熱効率向上技術、可変圧縮比エンジンやSPCCI等の最新技術の特徴と将来の熱効率向上ロードマップを解説します。
パワートレーンの動力源別ロードマップとCO2排出量比較
化石燃料を使った内燃機関中心の現在から将来への動力源(HEV、PHEV、BEV)の電動化や代替燃料の動向、各動力源別のWell to Wheel CO2排出量の比較について解説します。
主要カーメーカーの電動化戦略
48V MHEV、FHEV、PHEV、BEV(電気自動車)、レンジエクステンダーEV、FCV(燃料電池車)等の特徴と今後の動向、主要メーカーの最新の電動化戦略について解説します。
EV化の影響と次世代電池技術
EV化が進むことで影響を受けるエンジンやトランスミッション、新たに登場するeAXLEやインホイールモーター等の動向に加え、次世代電池技術の最新動向について解説します。
目次
第1章 自動車に関係する主要国の環境規制(排ガス、CO2規制、ZEV規制、RDE規制)
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1. 自動車を取り巻く環境変化と課題
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2. 自動車の排ガスの種類
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3. 各国の排ガス規制動向
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4. 排ガス規制値の日欧米のレベル比較
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5. 排ガス認証試験法
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6. 自動車試験法
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7. RED(Real Driving Emission)規制
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8. カリフォルニア州のZEV(Zero Emission Vehicle)規制
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9. 中国のNEV(New Energy Vehicle)規制
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10. 各国の燃費規制動向(乗用車市場)
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11. 各国の最新動向
第2章 パワートレーンの省燃費技術(熱効率向上)、軽量化素材の最新及び今後の動向
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1. 自動車用動力源の分類
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2. ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの特徴の比較
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3. 最新の燃費向上技術(熱効率向上技術と軽量化素材)の動向
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4. 高膨張比サイクル(アトキンソンサイクル/ミラーサイクル)
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5. クールドEGRシステム
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6. 可変動弁系バルブタイミング制御システム(Variable Valve Timing)
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7. アイドルストップシステム
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8. 今後の燃費向上技術の動向
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9. 自動車の軽量化素材における今後の動向
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10. 今後の自動車の各素材シェア予測及びマグネシウムの地金の世界需要予測
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11. 熱硬化性/熱可塑性CFRPの特徴と動向
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12. セルロースナノファイバー(CNF)の自動車用途としての取り組み
第3章 自動車パワートレーンの今後の動力源別ロードマップと動力源別のWell to Wheel CO2量比較
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1. 世界のパワートレーン別台数予測
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2. 今後のEV展開予測
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3. 今後の動力源別Well to Wheel(W-t-W) CO2量の動向
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4. MaaSと自動運転による販売台数への影響予測
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5. 今後のパワートレーン別ロードマップ(まとめ)
第4章 パワートレーンの電動化技術の特徴と主要カーメーカーの電動化戦略
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1. パワートレーン動力別の電動車の種類
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2. 各ハイブリッドシステムの詳細
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3. フルハイブリッド車(FHEV)の種類Ⅰ:シリーズ方式
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4. フルハイブリッド車(FHEV)の種類Ⅱ:パラレル/シリーズ・パラレル方式
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5. プラグインハイブリッド(PHV)
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6. 二次電池搭載の電気自動車(BEV)
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7. 世界の充電規格の種類と普及状況
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8. レンジエクステンダーEV(BEVx)
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9. 燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)
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10. 主な国内のカーメーカーの今後の電動化戦略の最新情報
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11. 海外のカーメーカーの電動化戦略
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12. 主要サプライヤーのEV及び電動化戦略
第5章 EV化で影響を受ける既存製品や新たに注目される新製品
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1. EV化が影響する既存製品/新規製品・素材
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2. EV化による変速機の今後の動向
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3. EV化による空調システムの今後の動向
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4. EV化によって注目される新素材の動向
第6章 今後の電動化普及のカギとなる次世代電池の最新技術動向
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1. リチウムイオン電池の概要
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2. 次世代電池の開発動向
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3. 全固体電池の構造と特徴
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4. EV用次世代電池の今後の動向
電気モーターは電気信号のスピードで加速を制御するため、応答性が極めて高く、低速域での高トルク特性により、自動運転との親和性が高く、滑らかで上質な走りを提供します。
現在主流のリチウムイオン電池の課題を克服する全固体電池やリチウム空気電池の開発が進んでおり、エネルギー密度の向上や安全性の確保、充電時間の短縮などの技術革新が期待されています。
車両制御ユニット、電源供給ユニット、ECUなどの電子制御システムが連携し、エネルギー変換を最適化して電気自動車の動作、安全性、性能を確保します。
モーター、インバーター、増減速機を一体化した「eアクスル」と呼ばれるモジュールの開発が進み、小型化・軽量化・低コスト化を実現する次世代の電動パワートレインシステムが登場しています。
自動車産業の100年に一度の大変革期に備える
電動化、自動運転、コネクティッド、シェアリングサービスという4つの技術潮流が自動車産業に押し寄せる今、パワートレーン技術の現状と今後の流れを俯瞰し、最新の知見を得ることが重要です。本書はこれからの自動車業界を生き抜くための必須の情報源となります。