GMPをふまえた安定性試験データの統計解析とOOT対応のための統計的留意点
GMPをふまえた
安定性試験データの統計解析と
OOT対応のための統計的留意点
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今、多くの会社が安定性モニタリングで規格不適合により製品回収を行っています。なぜこんなに多いのでしょうか? もっともっと減らすことができます。かつ仮に規格外になり回収しても、今出荷しているロットは対応済みであるため、欠品を回避することも可能です。ところがそれができていない会社が多いように感じています。
本セミナーでは、適切な規格設定とはどのようなものなのか、安定性モニタリングで製品回収の多い下記の対策について統計的な視点で説明します。
●統計的視点とは、統計・確率だけでなく、3ゲン(現場、現物、現実)・5ゲン(原理、原則)が重要です。事例からその視点を紹介します。
- 1)溶出試験
- 2)含量
- 3)類縁、不純物 統計・確率の視点
- 4)経時変化のばらつきの理解/工程能力指数の視点
- 5)確率の求め方(95%信頼区間)
安定性試験の結果から製造時に規格外となるリスクがどの程度となるか、潜在リスクをどのように見積もるか
【得られる知識】
- 統計手法の基礎知識
- 申請試料用ならびに安定性試験用のサンプリング
- 安定性モニタリングによる製品回収事例
- 規格設定の考え方/データに基づく規格設定で重要な統計的観点
- サンプリング
- 実際のOOT発生時の調査・根本原因解析
- 溶出試験
- OOTの事例紹介(出荷時・安定性モニタリング時)と対応の考え方
- 安定性試験の規格設定
- 実際の安定性モニタリングでの製品回収事例(防止/欠品対策)
- 長期保存・加速・苛酷条件の試験デザインと目的
日時
【Live配信】 2025年8月21日(木) 10:30~16:30
【アーカイブ受講】 2025年9月4日(木) まで受付
(配信期間:9/4~9/18)
受講料(税込)
( E-Mail案内登録価格 52,250円 )
定価:本体50,000円+税5,000円
E-Mail案内登録価格:本体47,500円+税4,750円
2名で55,000円 (2名ともE-mail案内登録必須/1名あたり定価半額27,500円)
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特典
Live配信受講者には、特典(無料)として「アーカイブ配信」の閲覧権が付与されます。
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配布資料
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※開催2日前を目安に、弊社HPのマイページよりダウンロード可となります。なお、アーカイブ配信受講の場合は、配信日になります。
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セミナー講師
脇坂 盛雄氏
エーザイ株式会社入社後、品質企画部 統括部長、品質薬事部 統括部長、品質保証責任者など30数年に渡り従事し、2013年9月に退職、現在に至る。
【主なご業務/専門】
医薬品の品質管理/品質保証
セミナー趣旨
なぜなら問題は規格不適合の結果が出て回収し、対応していることです。安定性は直ぐに規格不適合が起きるのではなく、規格下限(含量や溶出)、規格上限(類縁や不純物)に近づいているので、前もって推測できます。その推測に統計・確率の知識が必要です。規格不適合を予測し、対応を今行っていると、規格不適合になり製品回収になった時には、今流通している製品並びに物流在庫品は製品回収のリスクがありません。欠品回避ができるのです。欠品になることと製品回収とでは雲泥の差があります。なんといっても患者様に継続して服用していただけます。また営業サイドからは一度他社の製品回収になると再度納入することはハードルが高くなります。このセミナーにご参加され、それができれば参加費以上のメリットがあります。
統計確率の視点で判断することは難しい面もあります。そのためにOOTを設定することがリスク防止にも役立ちます。その方法についても紹介します。
実際に起きている多くの安定性モニタリングの製品回収事例からも問題点を学ぶことにより、どこに注意が必要かも知ります。
セミナー講演内容
1. 溶出試験不適合による製品回収
- 福井県/富山県製造所の第三者委員会からの学び
- OOSの取り扱い
- 安定性モニタリングの取り扱い
- 安定性モニタリングの実施
- 25℃×60%と申請時の室温成り行きの長期安定性で齟齬が生じた場合
- 製品品質照査の定期と臨時の確認の意味
2. 安定性モニタリングによる製品回収事例
- 含量の低下による規格逸脱による製品回収
- 溶出試験不適合による製品回収事例
- 類縁/不純物
- 製品回収事例から見えて来るもの
- 欠品を来さない場合
- 欠品を来す場合
3. 知っておきたい統計の知識
- データの見方、図示化
- 基本統計量
- バラツキの概念と分析バラツキの要因
- 工程能力指数(管理図との違い)
- 95%信頼区間(バラツキによる規格不適合を考える)
- 相関係数と回帰式(含量低下を考える)とグラフ
- F検定&t検定
- 分散分析
4. 申請時の規格設定の考え方(承認後のリスクを高めない)
- 日局収載時の規格の見直しについて
- 規格幅の設定
- 経年品の低下(安定性試験結果の反映)
- 類縁、不純物
- 1包装から複数回サンプリング、1包装1サンプルを採取の違い
5. 申請試料用ならびに安定性試験用のサンプリングの注意点
- サンプルはロットを代表しているか
- 注射剤の不溶性異物
- ミニチュアサンプル
6. OOS発生時のラボエラー調査
- 標準品変更時のOOS
- ラボエラーに気付かず製品回収
- PMDAによる試験不備による製品回収
- 日医工のOOSの判断不備への当局の指摘
- 規格限界値付近のデータの意味とその対応
- 欧米のOOSガイドライン
7. 溶出試験以外の安定性モニタリングでの製品回収
- 含量
- 類縁/不純物
- その他
8. ラボエラーによる製品回収/欠品対応事例
- 凍結乾燥製剤の製品回収 (2005年) の事例
- 標準品変更に伴う欠品リスクによる当局対応
9. 割り増し仕込み(過量仕込み)について
- ICH Q8
- 2013年GMP事例集と2022年GMP事例集の比較
- 実際の事例
- 福井県の製造所の割り増し仕込み事例を考える
- 最近のある都道府県の割り増し仕込みに関するやりとり
10. 海外製造所品の溶出試験齟齬対応
- 海外製造所と受け入れ試験結果の不一致
- 話し合いの結果
- 取り決め事項への反映
11. 海外販売品導入時の品質評価(溶出試験)
- 導入時の品質の確認
- 溶出試験の課題とその対応
12. 国内販売品の販売移管時の品質評価(溶出試験)
- 移管時の品質の確認
- 溶出試験の課題とその対応
13. 溶出試験で製品回収を起こさないために
- 製品品質照査結果からリスクのある製品の抽出(確率/統計の視点から)
- 改善対応
- 溶出試験の堅牢性(影響を受けやすい製品のリストアップ)
14. 技術移管時の溶出試験の確認と溶出試験に影響を及ぼす因子
- 4液性の溶出挙動確認
- 原料
- 製造方法
- 包装(ピンホール)
15. QCで防ぎたい品質トラブル
- 溶出試験の統計確率のリスクの考え方
- 主薬の結晶形の影響
- 主薬の物性の溶出試験への影響
- 類縁物質が注射剤の不溶性異物に影響
16. 実際の安定性モニタリングでの製品回収事例を考える
- 防止できなかったのか?
- 欠品は防げなかったのか?
17. 人が創る品質/Quality Culture(FDA)
□ 質疑応答 □