【ワンポイント】カテゴリ分類の神話

カテゴリ分類の神話

GAMPでは、ソフトウェアのカテゴリを5段階に分類している。
多くの製薬企業・医療機器企業のCSV SOPは、このカテゴリ分類によってCSVの実施
程度(作成成果物)を決定しているだろう。

しかしながら、カテゴリ分類は絶対的なものではない。
カテゴリ3であっても、リスクの高いシステムがあり、逆にカテゴリ5でもリスクの
低いシステムはある。
したがって、カテゴリ分類のみに従って、システムを構築した場合、患者や規制当
局の期待に背くことになりかねない。

またカテゴリ分類は、構造設備(プロセスコントロール)には有効的てあったが、
ITアプリケーションではほとんど意味をなさない。
なぜならば、ITアプリケーションでは、カテゴリ3、4、5が混在してしまうからであ
る。

厚労省が平成24年から施行した「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」
では、カテゴリ分類が大きく取り上げられているが、その罪は重い。
そもそも、FDAやEMAのソフトウェアバリデーションに関する規制要件では、カテゴ
リ分類などはない。

ソフトウェアに限らず、製薬企業・医療機器企業で使用するシステムは、リスク
(患者・ユーザに対する安全性、製品品質に対する影響等)に応じてその品質管理
・品質保証の程度を決定するべきである。

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