プラスチック添加剤の 正しい選択と配合設計による高性能化
📝本講演の概要
一般的に高分子はニートレジンのままでは成形加工性や最終製品の要求性能を満足させることは困難で、各種添加剤が適宜選択・配合設計される。しかるに、例えばポリ乳酸(PLA)に耐衝撃性を付与するために主剤との相溶性に優れる可塑剤を用いると、耐衝撃性は向上しても強度・弾性率は半減しTgも室温以下に低下する。一方、耐熱性を支配するのは融点のような静的パラメータではなく結晶化速度に係る動的結晶化ダイナミクスであるが、結晶化速度を促進する造核剤を添加すると耐熱性は向上しても耐衝撃性は逆に低下する。耐衝撃性に乏しいPLAの耐衝撃性がさらに低下することなど到底許容されない。
本セミナーでは、上記に代表される技術的課題解決のための各種添加剤の選択・配合設計指針を成形加工分野毎に分かり易く解説する中で、耐熱性向上に必須の結晶化速度解析手法や近年プラスチック添加剤のニューフロンティアとして注目されている高分子界面活性剤のマルチ機能改質剤としての作用機序についても解説する。
📋プログラム
1次世代バイオプラスチックとしてのポリ乳酸
11 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
1)石油を原料とする合成高分子化学工業が内包するパラドックス
2)自然界の真のリサイクルシステムとしての物質循環(炭素循環)へのリンク
3)生分解性バイオマスプラへのパラダイムシフト
12 ポリ乳酸の基本特性
1)熱可塑性脂肪族ポリエステル…結晶性高分子(Tm:130~190℃、Tg:58℃)
2)安全性、食品衛生性、抗菌・防カビ性
3)環境低負荷特性…LCAによる客観的・定量的評価
4)生分解性バイオマスプラ
①生分解機構…非酵素分解(加水分解)型
・2段階2様式の特異的な生分解機構…生分解性と耐久性の両立
・分解(開始・速度)制御機構内包…短期使用から長期耐久性構造材料まで
②自然環境(土壌、海水・淡水)や生体内での完全生分解性
③使用後の再資源化(リサイクル)
・バイオリサイクル…堆肥化(好気性下)又は生ごみ発電(嫌気性下)
・ケミカルリサイクル…熱分解による原料ラクチドへの還元
・マテリアルリサイクル
2耐衝撃性改良添加剤の選択と配合設計
21 耐衝撃性改良添加剤の分類と作用機序
タイプ
具体例
相溶性
Tgへの影響
A
可塑剤
優
低下
B
ブロック共重合体、高分子界面活性剤
適度
なし
22 タイプAが内包する問題点
1) 主剤ポリマーの基本特性(強度、弾性率、Tg)の低下、喪失
2) 成形品の室温放置下(二次結晶化)による物性並びに形状の経時劣化
23 タイプB(本命)…主剤ポリマーの基本特性維持
24 ポリ乳酸成形品の耐衝撃性の現状到達レベル
1) 電気・電子機器筐体、部品…9.6 kJ/cm2(シャルピー衝撃強度)
2) シート成形品…落球法(100gの重りを50㎝の高さから)
3結晶化促進剤の選択と配合設計
31 ポリ乳酸の結晶化挙動の解析
1) 高分子の古典的結晶化理論
2) 成形加工工程における結晶化の分類
①Melt Crystallization ②Cold Crystallization
3)DSCによる等温結晶化挙動の解析…結晶化速度パラメータの算出
32 ポリ乳酸の結晶化速度に影響を及ぼす因子
1) 一次構造…PLAのD体共重合比XD(%D)
2) 分子量
3) 造核剤や結晶化促進剤(架橋剤、可塑剤、マルチ機能改質剤)
33 結晶化速度が遅い場合に顕在化する問題点
1) 耐熱性(熱変形)
2) 寸法安定性(熱収縮や二次結晶化による形状や物性の経時変化)
3) 成形加工性(成形サイクルの遅延によるコストアップ)
34 結晶化促進剤の分類
1) 造核剤…結晶核形成促進作用
①固体分散型 ②溶解型(透明耐熱性) ③架橋剤
2) 結晶成長促進剤
3) マルチ機能改質剤…結晶核形成と結晶成長促進
35 成形加工分野別結晶化促進剤の選択指針…成形時の溶融張力との関係
36 ポリ乳酸成形品の耐熱性の現状到達レベル
1) 電気・電子機器筐体、部品…低荷重下(0.45MPa)150 ℃
2) 電子レンジ加熱可能…120~130℃ x 5分
3) 熱湯注入可能…95~100℃
4マルチ機能改質剤としての高分子界面活性剤の分子設計と作用機構
41 ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE)…高分子界面活性剤
42 PGFEの分子設計…重合度、エステル化度、脂肪酸C数
43 マルチ機能改質剤としての作用機構
1) 結晶化促進剤…結晶核形成(造核)と結晶成長の双方に有効
2) 耐衝撃性改良剤…耐熱性と耐衝撃性向上の両立
3) 流動性改良剤…薄肉射出成形
5ポリ乳酸の成形加工と製品・市場開発動向
51 成形加工性の物理的意味と支配的因子
1) 溶融押出過程…溶融粘度、溶融張力の分子量依存性
2) 冷却固化過程…Tg又は結晶化速度(冷却速度、変形速度依存性)
52 成形加工性改良剤
1) 溶融粘度、溶融張力調整剤
2) 結晶化促進剤…造核剤、可塑剤、高分子界面活性剤
53 成形加工法…押出成形、射出成形、真空・圧空成形、発泡成形、ブロー成形
54 ポリ乳酸製品・市場開発動向…豊富な製品写真で紹介
1) 農林・園芸・土木・水産資材
2) 食品容器・包装資材(短期使用・使い捨て材料)
3) 生活雑貨
4) 産業資材(長期耐久性構造材料)
□質疑応答□
👤講師
🗓開催概要
| 開催日時 |
2026年9月18日 (金) 10:00~17:00
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|---|---|
| 受講形式 | Zoomによるライブ配信 |
| 受講料 | 60,500円(税込) 本体55,000円+税5,500円 |
| 配布資料 | 製本テキスト(開催日の4、5日前に発送予定) ※開催まで4営業日~前日にお申込みの場合、セミナー資料の到着が、 開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。 Zoom上ではスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。 |
| 備考 | ※講義中の録音・撮影はご遠慮ください。 ※開催日の概ね1週間前を目安に、最少催行人数に達していない場合、セミナーを中止することがございます。 |
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